アメリカのパレスチナ支持集会を車で轢こうとして返り討ちに合い、逃げ出した容疑者
Video shows vehicle drive through Minneapolis pro-Palestinian rally
イスラエルの攻撃で命を落としたパレスチナ人の葬儀(10月24日、ガザ地区) REUTERS/Mohammed Salem
<ガザとの停戦や人道支援物資の搬入を訴える平和的な集会の中に車で突っ込もうとした男は刃物も持っていたが、最終的にほうほうの体で逃げ出した>
<動画>自動車テロ返り討ち!逃げた容疑者を追い払い、全力疾走で追いかけるパレスチナ支持集会の怒りパワー
米ミネソタ州ミネアポリスで開かれたパレスチナ支持の集会に、車が突入しようとするを捉えた動画がネットで拡散されている。
ミネアポリス警察の広報担当を務めるアーロン・ローズは本誌の取材にメールで回答。10月22日の午後3時20分過ぎに、市内にあるローリング・パークの近くで開かれていたデモをめぐり混乱が発生し、現場に駆けつけたと明かした。
「デモ参加者の群れに車が入っていったという通報が何件もあり、ある通報者は銃声を聞いたと言っていた」とローズは述べた。「この時点で、デモに関連して負傷者が出たという報告はなく、被害を受けたと名乗り出てきた人もいなかった」
ミネアポリス警察が現在追跡捜査を行っているが、22日夜の時点で逮捕者は出ていないという。ローズはまた、デモが行われていた道路が通行禁止になっていたかどうかは確認できなかったとも述べた。
集会を組織した「ミネソタ反戦委員会」によれば、この集会には約5000人が参加していた。同委員会は非営利団体「アメリカン・ムスリムズ・フォー・パレスタイン」とパレスチナを支持するミネソタ大学の学生団体「スチューデンツ・フォー・ジャスティス・イン・パレスタイン」の関連組織だ。
ドライバーは「刃物を持っていた」
デモ参加者はこの日、ミネアポリス市内の交差点で、地面に寝転んで死んだふりをする「ダイ・イン」という抗議行動を行っていた。「ガザ地区で起きている民族浄化の深刻さ」を示すためだという。
主催者によれば、あるドライバーが車とカッターナイフでデモ参加者を脅し始めた。警備担当者が刃物を取り上げたが、彼はその後、車で群集の中を通り抜けようとしたという。
ネットで共有された動画には、白い車が群集の中に入っていった後、ドライバーが車から出て、デモ参加者と少しの間、もみ合いになる様子が映っている。映像は、ジョージ・フロイドが警察官に殺害された事件に対する一連の抗議デモをライブ配信してフォロワーを増やした非営利のメディア組織、「ユニコーン・ライオット」が捉えたドローン映像と現地音声で構成されている。
ドライバーが車の中に戻るとデモ参加者たちが車を取り囲むが、その後ドライバーが車を急発進させる様子を捉えている。ユニコーン・ライオットがX(旧ツイッター)上で共有した3分間の動画には、その後この白い車が引き返してデモ参加者の方に戻ってきた後、走り去る様子が映っている。