実は中露より高リスク、「1つ間違えれば核戦争」...北朝鮮問題の解決へ「意外と取り組みやすい」第一歩とは?
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この韓国外務省報道官はまた、性急な平和条約は朝鮮半島での緊張をあおるだけだとも警告した。
「非核化交渉の進展がないままで北朝鮮と平和条約を結ぶことは、北朝鮮の核兵器開発を正当化することにつながる」と、報道官は言った。「韓国の安全保障に重要な役割を果たしている国連軍と在韓米軍の機能と役割について、不必要な論争を引き起こす可能性もある」
では、北朝鮮側の対応はどうか。金正恩の妹で、朝鮮労働党の副部長を務めている金与正(キム・ヨジョン)は7月17日の談話で、「前提条件なしの対話」というアメリカの提案は「ばかげている」と一蹴し、アメリカでも韓国でも「前任の大統領が署名・確約した合意は全て、次の政権によって覆されてきた」と述べた。
金与正はさらに「アメリカの拡大抑止と過剰なまでの拡大軍事同盟はわが国への脅威であり、わが国を交渉のテーブルから遠ざけるだけだ」と主張し、「朝鮮半島の状況は実際に武力衝突が起きるか、核戦争が勃発してもおかしくない段階にまで達しており、わが国とアメリカの対立が深刻だった17年の状況よりはるかに深刻」だと警告した。
公式の外交関係は凍結されたままだが、アメリカ連邦議会の下院では今年、北朝鮮に関して真逆の法案が2つ提出されている。3月に提出されたHR1369は通称「朝鮮半島和平法案」で、朝鮮戦争の正式な終結を求めている。
一方、4月のHR3012は通称「北朝鮮人権再認定法案」で、人権問題の状況をめぐり北朝鮮政府に対する懲罰的な措置の強化を要求している。
法案を提出したのはどちらもロサンゼルス選出の議員だが、北朝鮮政策に関するビジョンは正反対だ。
「人権問題で一歩も引くな」
HR3012を提出したのは共和党のヤング・キム下院議員で、法案の趣旨は「アメリカ政府の対北朝鮮政策の中心に人権問題を据える」ことにあり、そのために「北朝鮮の人に国外の情報を伝えるラジオ放送を支援し、北朝鮮人権問題担当特使の承認を上院に促す」ものだとした(この件は7月末に承認された)。そして「北朝鮮の人々は想像を絶する抑圧を受け続けているのだから、この問題では一歩も引いてはならない」とも強調した。
当然、キムはHR1369に反対している。「一方的に朝鮮戦争の終結を宣言しても、朝鮮半島の和平実現にはつながらない」と、キムは言う。「金正恩の顔を立てようとしても無意味だ。あの男は交渉相手として信用できない。朝鮮半島の恒久平和に何の関心も抱いていない。その証拠は山ほどあるではないか」