最新記事
米司法

バイデン家の「ドラ息子」、ハンター・バイデンの司法取引は「ズルじゃない」

Hunter Biden’s Plea Deal

2023年6月28日(水)21時05分
マウラ・ズーリック
ハンター・バイデン, バイデン大統領

バイデンの次男ハンター(写真右)は常にやり玉に挙げられてきた(2022年) AP/AFLO

<銃所持違反、薬物依存、税未納...など、超問題児で有名なバイデン大統領の次男。税未納の罪を認め、収監を免れたことにトランプ支持者は「甘すぎる処分」と猛反発するが、専門家の見解は?>

ジョー・バイデン米大統領の次男ハンターが連邦税未納と銃所持違反で訴追され、司法取引に応じた件で、野党・共和党側は処分が「寛大すぎる」と非難を強めている。

ハンターは長年、共和党から疑惑を追及されつつも違法行為を否定し続けてきたが、2020年には捜査を受けていることを自ら認めていた。

今回ハンターが2件の軽微な税犯罪で有罪を認めた司法取引について、共和党側は猛反発している。一方、司法専門家たちはまっとうな処分だと冷静に捉えているようだ。

司法取引でハンターは、17年と18年に税金を支払わなかったことで罪を認めた。また、18年に薬物依存を申告せずに銃を所持していた容疑でも訴追されたが、条件付きの起訴猶予で合意した。

この司法取引に最も憤っているのは、ドナルド・トランプ前大統領の支持者たち。

トランプが機密文書持ち出しや司法妨害など37件の罪で起訴され、有罪になれば合わせて100年超の懲役刑になる可能性に比べれば、ハンターの起訴猶予は「甘すぎる」というのだ。

トランプは、ハンターの処分を「単なる交通違反切符」と非難している。

多くの人が罰金で終わる

一方で司法研究者や著名法律家らは、ハンターの起訴猶予は「典型的」な処分で、政治もバイデンの息子であることも関係ないと口をそろえる。

元連邦検事でCNNの法律アナリストを務めるエリオット・ウィリアムズは、同局の番組に出演して解説。この種の犯罪で捜査に協力し、罪を認めるのは「まっとうな」取引だと話した。

社会的価値創造
「子どもの体験格差」解消を目指して──SMBCグループが推進する、従来の金融ビジネスに留まらない取り組み「シャカカチ」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中