米中間選挙:民主党「予想以上の善戦」で議席減は限定的か 下院は依然共和党優勢
11月8日に投開票された米中間選挙は、9日未明の時点で接戦州の多くで勝者が確定しておらず、共和党が民主党から議会の主導権を奪えるか依然として不透明となっている。写真はジョージア州マリエッタで8日撮影(2022年 ロイター/Cheney Orr)
8日に投開票された米中間選挙は、9日未明の時点で接戦州の多くで勝者が確定しておらず、共和党が民主党から議会の主導権を奪えるか依然として不透明となっている。
上院は35議席、下院は全435議席が改選される。36州では知事選も行われた。
下院では共和党がなお過半数議席を獲得する可能性が高いとみられている。エジソン・リサーチによると、共和党が民主党から6議席を奪い過半数を1議席上回る見込み。これまでのところ共和党が198議席、民主党は173議席を獲得したとみられている。
しかしロイターが主要な独立系調査会社の予想を分析したところ、53の最激戦区のうち13議席しか勝者が確定しておらず、最終結果はしばらく判明しない見込みだ。
共和党が議会で主導権を握れば、ウクライナへの援助を阻止することができるが、軍事・経済援助を遅らせたり縮小したりする可能性の方が高いとアナリストはみている。
エクイティ・キャピタルのマクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は、共和党が下院で多数派となれば、増税を阻止し政府支出を制限する公算が大きいとし、インフレ抑制のための利上げは限定的となるかもしれないと述べた。
中間選挙では与党が議席を減らすケースがほとんどで、バイデン政権の支持率は1年以上低迷している。しかし民主党がいくつかの重要な選挙区で予想外の強さを見せ、共和党が圧倒する「赤い波」への期待は薄れている。接戦の末に決した13議席のうち11議席を民主党が押さえた。
民主党のペロシ下院議長は声明で「下院の民主党議員と候補者が全米で予想以上に善戦しているのは明白だ」と指摘した。
人口妊娠中絶の権利を覆した6月の最高裁判決に対する有権者の反発が民主党の議席減少を抑制したとみられる。
一方、共和党の強さは、最近行われた選挙区割りの変更で20年にバイデン氏が勝利したであろういくつかの下院の激戦区に見られ、例えばバージニア州第2選挙区では民主党の現職が共和党候補に敗れた。
上院選、民主が激戦州ペンシルベニア制する
現在のところ獲得議席は民主が48、共和が47。
上院選では民主党トップのチャック・シューマー院内総務や共和党指導部のジョン・スーン議員が再選を決めた。自伝「ヒルビリー・エレジー」で知られる作家のJ・D・バンス氏(共和党)はオハイオ州で勝利した。