米中間選挙:民主党「予想以上の善戦」で議席減は限定的か 下院は依然共和党優勢
民主党にとって朗報は、激戦州の一つのペンシルベニア州での勝利だ。ジョン・フェッターマン候補がメフメト・オズ候補を破り共和党から議席を奪った。民主党は改選前議席確保に望みをつなぎ、夜が更けるにつれ、ホワイトハウスのムードも和らいだ。
ニューハンプシャー州では民主党の現職マギー・ハッサン氏が議席を守った。この議席は共和党が奪取する最大のチャンスとみられていた。米連邦捜査局(FBI)の廃止を訴え、新型コロナウイルスを巡る陰謀論に賛同した共和党のドン・ボルダック候補は右派以外に支持が広がらなかった。
リンゼー・グラム上院議員(共和党)はNBCとのインタビューで「共和党の波ではないことは確かだ」と述べた上で、「最終的には51議席か52議席を確保するだろう」と奪還に期待を示した。
上院選は接戦で、最終結果の判明までに時間がかかる見通し。ネバダ、アリゾナと並ぶ激戦州のジョージア州は民主党現職のラファエル・ワーノック氏と共和党のハーシェル・ウォーカー氏が接戦を繰り広げている。どちらの候補者も50%以上の票を得られなかった場合は12月6日に決選投票が行われる。
改選前議席は民主・共和両党が50ずつで同数だが、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じることができるため民主党が多数派となっている。
バンス氏が勝利する一方でオズ氏は敗れ、アリゾナ、ジョージア、ネバダ各州の上院選で苦戦するなど、トランプ前大統領が支持した共和党候補者の結果はまちまちだった。
米選挙プロジェクトによると、郵便投票や期日前投票の利用者は4600万人を超えた。州の選管当局は開票作業に時間がかかると警戒。
ルイジアナ州では爆弾予告があったほか、ペンシルベニア州の郡では紙が不足する事態も発生。激戦地とされるアリゾナ州のマリコパ郡裁判所は8日、一部の選挙区で電子集計機が故障したことを受けた共和党の投票時間延長要請を棄却した。