折り紙あそびで「宇宙技術」に触れる 手軽だけど本物の科学が体験できる「実験集」
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<夏休みの自由研究に頭を悩ませているのは、ひょっとすると子どもより親のほう? 大人も楽しみながらできる「実験」が、子どもの無限の可能性を広げる>
2007年に発売された初代iPhone。「音楽再生、携帯電話、ネットワーク通信」がたった1台のデバイスでできると、世界中が湧き上がった。この新製品の誕生を発表したアップルCEOスティーブ・ジョブズのプレゼンは、伝説となっている。
今では私たちの生活になくてはならないスマートフォンだが、「1人1台持ち運べるコンピュータがあったらいいな」という、ひらめきがなければ生まれなかったはずだ。そこに、多くのテクノロジーが投入された結果が現在の形である。
世の中の進歩は早い。身の回りには新しいテクノロジーがあふれている。一方で、将来への課題は残されたままだ。これからの時代は、そのような課題や問題を新しいテクノロジーで解決することが求められている。われわれ大人世代ができるのは、未来を生きる子どもたちに思考力と創造力を授けることだろう。
子どもたちに、世の中にあふれる新しい技術を学んでほしい。さらに、「どんなアイデアが未来をつくるのか」を自分で考える体験をさせたい──。そんな親の思いが詰まった本『ミライの科学にふれてみよう おうちじっけん号』(CCCメディアハウス)が発売された。
本書には、テクノロジーの一端を体験できる22の実験が掲載されている。「ロボットが好き」「ファッションが好き」など、子どもの興味関心が強いものから取り組むといいだろう。
子どもたちだけでは少し難しい内容もあるため、親子で体験することが推奨されている。大人も、「あのテクノロジーはこうした実験の延長線上にあるのか」と、子ども以上に驚くかもしれない。少しの手間とお金だけで、何も科学館に足を運ばずとも、子どもに見せられる世界が広がっていくことを実感できるはずだ。
身近な遊びが「あったらいいな」につながる
実験で使用する材料は、折り紙やストローなど100円ショップやネット通販で手軽に購入できるものばかり。折り紙でテクノロジーを体験? と思うかもしれないが、「折り紙は、1枚の紙を折りたたむから、好きなときに広げて使える。そして折るほどに強くなる」という特徴は実際の先端技術に応用されており、実験を通じてそれが体験できる仕組みだ。
例えばこうした折り紙の特徴は、人工衛星の太陽光パネルに使われている。宇宙に行くまでは小さく折りたたみ、到着してから大きく広げる様子は、折り紙の技術そのものだ。
また折り紙の構造は、モノを強くするためにも使われている。スチール缶を強くするためには、表面に折り目をつけるが、これも折り紙の技術。壊れやすいものを包むときや、建物にも使う丈夫な「ハニカムコア」という構造は、七夕飾りをヒントにつくられたと言われている。
では、これらの技術の基本となる「紙ばね」をつくってみよう。
『ミライの科学にふれてみよう おうちじっけん号』
著者:山岡 潤一、草野 絵美
出版社:CCCメディアハウス
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