トランプ関税で実効税率17%に、製造業「広範に混乱」=リッチモンド連銀

米リッチモンド地区連銀は2日に公表した報告書で、トランプ米政権がこれまでに発表した関税措置のほか、今後発表する可能性のある関税措置で、米国が輸入するモノ(財)に対する平均実効関税率は約17%と、現在の2.2%から大幅に上昇すると試算した。写真はメリーランド州のボルチモア港で撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Howard Schneider
[ワシントン 2日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀は2日に公表した報告書で、トランプ米政権がこれまでに発表した関税措置のほか、今後発表する可能性のある関税措置で、米国が輸入するモノ(財)に対する平均実効関税率は約17%と、現在の2.2%から大幅に上昇すると試算した。中西部と南部の製造業が特に「広範な混乱」に見舞われるとしている。
報告書はリッチモンド地区連銀のワデル副総裁らが作成。トランプ第1次政権下の2018年と19年に導入された関税措置で国内の雇用と生産が純減したとし、トランプ第2次政権が掲げる一段と積極的な関税措置も同様の影響をもたらすリスクがあると警告した。
「提案されている関税措置で原材料価格が上昇し、供給網が混乱し、物価の上昇につながる。最終的には、保護された産業で予想される限定的な雇用増の効果を上回る可能性がある」とし、「こうしたコストと政策目標と慎重に比較検討し、関税措置で最も影響を受ける産業や地域を支援するために、的を絞った措置を検討する必要がある」とした。
今回の報告書はトランプ氏が相互関税を発表する数時間前に公表された。国内各郡の産業の輸入シェアを調べ、さまざまな輸入関税のシナリオの下で実際にどのような影響が出るかを推定した。
トランプ氏がすでに発表した25%の自動車関税や中国への追加関税を基にしたシナリオや、メキシコやカナダなどに対する潜在的な関税を前提にしたシナリオが含まれる。
報告書は「2025年の関税提案は、米貿易政策の重要な変化を意味する。潜在的に多大な経済的影響が生じ、影響は業界や地域によって異なる」と指摘。
以前の対中関税は、世界的なサプライチェーンの調整により影響が「控え目」だったが、今回の関税は「カナダ、メキシコ、欧州連合(EU)、自動車をターゲットにしており、米国の主要産業に広範な混乱を引き起こす恐れがある」としている。
今回の分析は静的なもので、価格の変動に伴う消費者需要の変化や、国内生産の増加につながり得るサプライチェーンの変化、投資パターンの変化など、関税の影響全体を考慮したものではないという。
ただ「調整には時間がかかる」と指摘。特に多大な影響を直ちに受ける産業・地域として、自動車産業、金属集約型産業、ミシガン州、オハイオ州、インディアナ州、南東部を挙げた。
EUに関税が適用された場合は、影響が「主に地域的な問題から国全体の経済問題に変わる」としている。