玉城デニー知事に聞く、沖縄の現在と未来──「オール沖縄の民意はいささかも変わらず」
OKINAWA AT A CROSSROARDS
その上で重ねてこう話す。「日米同盟は沖縄ではなく、日本とアメリカの同盟です。沖縄は基地が多い分、日米地位協定などの不公平な状況を厳しく感じることが多い。しかしその条件は、日本国民全体に同じく課せられているわけです」
沖縄はどんな未来を描いているのか。貧困や格差にあえぎながらも、他地域と異なる沖縄の強みは「ソフトパワー」だと玉城は唱える。コロナ禍で観光産業も疲弊したが、個性豊かな文化や自然の中で育まれた沖縄のソフトパワーは健在だ。「これを持続可能な形で維持するために、これまで重視してきた入域観光客の数より、質の向上にシフトしたい」
沖縄では観光客増に伴う経済効果が地元に十分還元されず、多くが県外資本に流出する「ザル経済」がネックとされてきた。「量から質」への転換を県内の経済循環の活性化につなげられるか。
玉城はこのインタビューの翌日、9月の知事選への立候補を表明した。誰が選ばれても、「平和」を抜きに沖縄の未来が成立しないのは確かだ。
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