ドルショート開始、トランプ関税で信認失墜も=RBCブルーベイ

4月17日、 RBCブルーベイ・アセット・マネジメントはドルのショート(売り)ポジションを取り始めた。写真は米ドル紙幣。3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Summer Zhen
[香港 17日 ロイター] - RBCブルーベイ・アセット・マネジメントはドルのショート(売り)ポジションを取り始めた。トランプ米大統領の貿易戦争が数十年にわたるドルの信認を破壊する恐れがあるとし、米国例外主義の終焉に賭けている。
RBCブルーベイの債券チーム担当最高投資責任者(CIO)を務め、世界全体で1330億ドル以上の資産を統括するマーク・ダウディング氏はインタビューで「先週初め、われわれはドルを売っていた」と明らかにした。
「米国の政策決定には信頼性が失われている」と言い、トランプ氏の関税政策は「あまりよく考えられていないように感じた」と語った。
年初にはドルロング(買い)にしていたが、第1・四半期半ばにそのポジションを解消し、現在は弱気に転じている。
同ファンドは円には強気で、割安感があるほか、海外にある日本資本が本国へ還流するとして、1ドル=135円まで上昇することに賭けている。
ダウディング氏は欧州や日本の投資家について、米国に資金を投じるよりも国内・域内の資産に目を向けていると指摘。「ドルの価値が長期的な転換点を迎える可能性がある」と述べた。
関税がサプライチェーン(供給網)を混乱させ、供給不足を引き起こし、インフレ率を上昇させる可能性があるとして、米連邦準備理事会(FRB)が短期的に金利を引き下げる可能性は低いと考えているという。
米国債については良いエントリーポイントを探っていると説明。「10年債利回りが4.2%を下回れば売りたい。4.8%を上回れば買いたい」とした。
他の取引では欧米のインフレ連動債を買い始めていることも明らかにした。