トランプが始めるSNSはAI検閲でヘイトを排除し「言論の自由」を保障するそう
Donald Trump's 'Free Speech' Site Will Use Big-Tech Artificial Intelligence to Censor Posts
暴力を煽動しているとしてツイッターから追放されたトランプが自分のSNSを立ち上げる Carlos Barria-REUTERS
<ツイッターから追放されたトランプが独自に作ったSNS「トゥルース・ソーシャル」が2月21日にサービスを開始する。AIによる検閲で汚い投稿は排除するが、政治には介入しないという触れ込みだ>
ドナルド・トランプ前大統領は、独自のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social )」の立ち上げを発表。これは「言論の自由」を保障するネットワークであり、「大手テック企業の専制に立ち向かう」ものだと語っている。だが、その実このサイトは、シリコンバレーの人工知能(AI)を使用して、投稿された内容を検閲する仕組みになっている。
トゥルース・ソーシャルは、ジョージ・ワシントン初代大統領の誕生日(2月22日祝日)にサービス開始を予定している。AIソフトウエアは、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くテック企業ハイブが開発したものだ。
ケーブルニュースチャンネルのフォックス・ビジネスによれば、このクラウドベースのAIは、トゥルース・ソーシャルのポリシーに違反する画像、動画、音声、テキストを含むコンテンツを自動的に検出し、検閲する。
特に「露骨に性的なコンテンツや、暴力、いじめ、ヘイトスピーチ、スパムを含む投稿」を排除する役に立つだろうと、ハイブの共同創設者兼CEOのケビン・グオは言う。同社のAIは以上のような、ソーシャルネットワーク上で普遍的に禁じられるべき内容を検閲するが、「政治的な話題を検閲する」ことはないとも言う。
ファミリー向けの安全な場に
ハイブのAI技術の恩恵を受けるのはトゥルース・ソーシャルだけではない。右派に人気のSNSアプリ「パーラー(Parler)」は暴力的で憎悪に満ちたコンテンツを排除しなかったため、2021年1月6日にアップルのプラットフォームから追放されていたが、ハイブのAIのおかげでアップルストアに返り咲くことができたという。
「私たちはこのSNSをファミリー利用者にぴったりの、極めて安全な場所にしたい。そして、違法なコンテンツがサイトに入り込まないように注意している」と、トゥルース・ソーシャルのデビン・ヌネスCEOはフォックス・ビジネスに語った。
トゥルース・ソーシャルの開発者は、正式なサービス開始の時期に「違法なコンテンツ」を投稿する利用者が押し寄せることを予期している。
このサイトの立ち上げは、トランプがツイッターから追放されてほぼ1年後というタイミングということになる。
トランプは2020年大統領選の選挙運動で、ツイッターには「不公平」で「違法」な反保守の偏見があり、「言論の自由の抑圧」を行っていると繰り返し非難した。
トランプがこのような態度をとったのは、ひとつには、選挙で不正があったというトランプの嘘の主張に対し、ツイッターが「事実確認が必要」という警告を出す回数が増え、「話題のトピック」のリストにトランプを個人的に非難する言葉が含まれるようになったためだ。