干ばつで母親に捨てられたチーターの赤ちゃんが救出される
Cheetah Cubs Rescued After Drought Forced Their Mother to Abandon Them
(写真はイメージです) Bertrand Godfroid-iStock
<救出されたとき、3頭はまだ生後数日しか経っていなかった>
母親に捨てられたチーターの赤ちゃん3頭が、人間の手で救出された。
この3頭は、ケニア北東部のワジル郡にあるコミュニティ主導型組織「サブリ・ワイルドライフ・コンサーバンシー」のレンジャーによって発見された。
組織を率いるシルマケ・モハメドは本誌に対し、「チーターが子供を捨てるのは普通のことではない」と語っている。
「ひどい干ばつに見舞われていて、母チーターは近くの集落のヤギを殺してしまった」
住民がヤギを食べる母チーターを見つけて追い払った後、低木の中にいるチーターの赤ちゃんたちをレンジャーが発見した。母親が戻ってくるのを待ったものの、日没と暗闇の中で捕食される懸念から、数時間後には放置することが難しくなった。
「救出時には生後数日しか経っていなかった」とモハメドは振り返る。
深刻化する干ばつ
3頭はケニア野生生物公社(KWS)によってナイロビ動物孤児院に移送され、飼育員と獣医チームのケアを受けている。
KWSはフェイスブック上でコミュニティ・レンジャーに称賛の意を示すと同時に、赤ちゃんチーターの孤児院での様子が分かる写真を添付した。その中の一枚には、レンジャーが哺乳瓶でミルクを与える光景も写っている。
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催された11月、サブリ・ワイルドライフ・コンサーバンシーはキリンの死体をツイートし、気候変動被害の深刻さを訴えた。
ケニアではここ数カ月、ワジル郡をはじめ他の地域でも干ばつが続いている。
アメリカの飢餓早期警戒システムネットワークによると、ケニア北部および東武の今年10月から12月にかけての降雨量は平均の30〜60%だという。
この干ばつの影響で、ケニアの乾燥・半乾燥地域では240万人が今後数カ月の間に食糧不足に直面すると推定されている。