最新記事

野生動物

干ばつで母親に捨てられたチーターの赤ちゃんが救出される

Cheetah Cubs Rescued After Drought Forced Their Mother to Abandon Them

2021年12月17日(金)17時40分
ハンナ・オズボーン
チーター

(写真はイメージです) Bertrand Godfroid-iStock

<救出されたとき、3頭はまだ生後数日しか経っていなかった>

母親に捨てられたチーターの赤ちゃん3頭が、人間の手で救出された。

この3頭は、ケニア北東部のワジル郡にあるコミュニティ主導型組織「サブリ・ワイルドライフ・コンサーバンシー」のレンジャーによって発見された。

組織を率いるシルマケ・モハメドは本誌に対し、「チーターが子供を捨てるのは普通のことではない」と語っている。

「ひどい干ばつに見舞われていて、母チーターは近くの集落のヤギを殺してしまった」

住民がヤギを食べる母チーターを見つけて追い払った後、低木の中にいるチーターの赤ちゃんたちをレンジャーが発見した。母親が戻ってくるのを待ったものの、日没と暗闇の中で捕食される懸念から、数時間後には放置することが難しくなった。

「救出時には生後数日しか経っていなかった」とモハメドは振り返る。

深刻化する干ばつ

3頭はケニア野生生物公社(KWS)によってナイロビ動物孤児院に移送され、飼育員と獣医チームのケアを受けている。

KWSはフェイスブック上でコミュニティ・レンジャーに称賛の意を示すと同時に、赤ちゃんチーターの孤児院での様子が分かる写真を添付した。その中の一枚には、レンジャーが哺乳瓶でミルクを与える光景も写っている。

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催された11月、サブリ・ワイルドライフ・コンサーバンシーはキリンの死体をツイートし、気候変動被害の深刻さを訴えた。

ケニアではここ数カ月、ワジル郡をはじめ他の地域でも干ばつが続いている。

アメリカの飢餓早期警戒システムネットワークによると、ケニア北部および東武の今年10月から12月にかけての降雨量は平均の30〜60%だという。

この干ばつの影響で、ケニアの乾燥・半乾燥地域では240万人が今後数カ月の間に食糧不足に直面すると推定されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国の尹政権、補正予算を来年初めに検討 消費・成長

ビジネス

トランプ氏の関税・減税政策、評価は詳細判明後=IM

ビジネス

中国アリババ、国内外EC事業を単一部門に統合 競争

ビジネス

嶋田元経産次官、ラピダスの特別参与就任は事実=武藤
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中