ドアダッシュが正社員雇用で15分宅配競争に参入
DoorDash Jumps Into Fray of Quick Grocery Delivery With Full-Time Workers
だがレティグは、ドアダッシュがダッシュコープスを立ち上げたのは、ドアダッシュの配達員を直接雇用するのを回避するためではなく、より幅広く加盟店を募るための新たな、独立型のサービスを築くことに集中したいからだと説明。また新サービスはスピード重視のため、注文が入ったらすぐに対応できるように、正社員を主体としたモデルに依存せざるを得ないのだと述べた。
レティグはまた、ドアダッシュとして、ギグワークをしたくない人々に正社員という選択肢を提供できることを嬉しく思うとも述べた。「それぞれの人にふさわしい場所で会いたい。それに多くの人にとって、より多くの選択肢があるべきだと考えている」
ダッシュマートの倉庫部員や注文商品の梱包は、今後もドアダッシュ本体の従業員が担う予定だ。
ドアダッシュでは、今後1年のうちに、15分以内の配達サービスをマンハッタンやブルックリンのさらに多くの地区に拡大していきたい考えだ。
同社はこれまで、オンラインで注文を受けた食料品を、多くの場合はダッシュマートの拠点から30分以内で配達していた。だが配達時間がさらに短いと、顧客満足度も注文率も向上することが分かったと、同社の新事業部門の責任者であるフアド・ハノンは言う。2013年にドアダッシュが創業した時には、顧客は45分の配達時間でも満足していたが、今はもう違うと彼は指摘する。
「ドアダッシュの創業間もない頃から、利便性を求める人々の願望は高まる一方だ」とハノンは語った。
安全面が問題視されたことも
リサーチ会社サードブリッジのシニアアナリストであるジョー・マコーマックは、ドアダッシュは、ジョーカーやフリッジ・ノー・モア、バイクなど、いずれもニューヨーク市内で15分以内の食料品配達を掲げている競合からのプレッシャーにも直面していると指摘する。
「どこが一番迅速に食料品を配達してくれるかによって、顧客の選択が大きく左右されるとすれば、超速配達はドアダッシュが競争力を維持するために重要だ」とマコーマックは述べた。
超速配達については、過去に安全性が問題視されたこともあった。ドミノ・ピザは1993年に、無謀運転の配達ドライバーが運転する車にはねられて重傷を負ったセントルイス在住の女性から訴えられたことを受けて、配達を「注文から30分以内」とする時間制限を廃止した。
レティグは、配達員はニューヨーク市が定める条件を満たす安全装具を身に着けるし、配達時間について守れない約束はしないと説明。超速配達のサービスは、限られた地域でのみ提供されることになると述べた。