マネーストックM3、3月は0.4%増 消費増で17年半ぶり低い伸び

4月11日、日銀が発表した3月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.4%増の1603兆円だった。写真は円紙幣。都内で2013年2月撮影(2025年 ロイター/Shohei Miyano)
Takahiko Wada
[東京 11日 ロイター] - 日銀が11日に発表した3月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.4%増の1603兆円だった。伸び率は前月を下回り、2007年9月以来の低さ。物価高で個人の消費支出が増えているほか、政府の補助金支払いで前年3月にかさ上げされた影響が剥落したことも伸び鈍化につながった。
内訳で、預金通貨は前年比0.4%増の981兆4000億円と、09年3月以来の低い伸び率。一方で、定期預金などを含む準通貨は2.0%増の487兆9000億円で10年4月以来の高い伸び率となった。利上げを背景に、法人中心に普通預金から定期預金へのシフトが続いている。現金通貨は2.6%減の112兆2000億円。
M2は0.8%増の1254兆4000億円。06年12月以来の低い伸び率。残高は2カ月ぶりに増加した。
広義流動性は3.2%増の2188兆6000億円で、残高は2カ月連続で減少。広義流動性のうち、国債は43.5%増の34兆5000億円。伸び率は04年4月以降で最大を更新、残高は15年1月以来の高水準。金利の上昇で、法人や個人の購入が増えている。外債は11.1%増の33兆7000億円。
広義流動性の速報値はデータが集まらない計数もあり、来月以降に値が修正される可能性がある。