メキシコ、血塗られた選挙戦 昨秋から関係者85人が命落とす
ムリエータ氏と同様、中道左派政党「市民運動」から立候補しているエリック・ラミレス氏は、武装グループから脅迫を受け、南西部ゲレーロ州における今月の夜間集会を中止するよう迫られた、と語った。
ラミレス氏はその警告を無視したが、集会が始まってほどなくして銃声が響き、観衆は散り散りに逃げた。同氏も危うく難を逃れた。
ラミレス氏は銃撃の様子を撮影した動画データをロイターと共有した。同氏はコクラという町の町長に立候補しているが、選挙運動の規模を縮小したという。地元当局と犯罪組織の癒着を告発したために狙われたとしたが、選挙戦から撤退はしないと語った。
「私の人生は劇的に変わった。家族もとても心配している。それでも私を応援してくれているが」とラミレス氏は述べた。
選挙戦からの撤退を決めた候補者の1人が、南部オアハカ市に隣接する自治体の首長に立候補する予定だった野党政治家のクリスティーナ・デルガド氏だ。
地元メディアが公開した写真によれば、今年1月、正体不明の脅迫者によるデルガト氏殺害予告が、切断されたブタの頭部とともに地元の広場に残されていた。メッセージの一部は「ここは私の縄張りだ。ボスはすでにいる。姿を見せたら殺す」と書かれていた。
デルガド氏は脅迫を受けたことを認めたが、それ以上のコメントは控えている。彼女は結局、候補者登録を行わなかった。
セキュリティ・アナリストは、選挙関連の暴力事件のほとんどは自治体レベルで起きており、麻薬密輸などの犯罪行為をこれまで以上に自由に行うため、ギャングが選挙結果に影響を及ぼそうと圧力をかけているとの見方を示した。
ティファナにあるシンクタンク、コレフのセキュリティ専門家ビセンテ・サンチェス氏は、最大の被害者は民主主義そのものだ、と指摘した。
「国内の一部地域では、多くの人々が犯罪組織の影響下にあり、何一つ保証されない」とサンチェス氏は述べた。
Lizbeth Diaz記者(翻訳:エァクレーレン)
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