特効薬なき対コロナ戦争、世界は中国の「覚悟」に学ぶべき
THERE WILL BE NO QUICK COVID FIX
集団としての対応は、個人の行動の積み重ねでしかない。だが今もあまりに多くの国で、予防措置に従えば自由が奪われると恐れる人が多い。
今こそ明確なメッセージを発信すべきときだ。私たちはウイルスとの戦争を戦っている、全ての人が周囲の人々のために日常の不便をいくらか我慢する必要があるのだ、と。
地震や津波、新たな病気の流行に見舞われるたびに、私たちは自然の持つ危険な威力を再認識する。アジア諸国が新型コロナに迅速かつ効果的に対応できた理由を探すなら、それはSARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザの流行を忘れていなかったことだ。アジアの成功は、力強い指導力や社会の団結を通じて公衆衛生上の対策を徹底すれば、流行を迅速に鎮め、犠牲者数を抑えられることを示している。
これが2020年の最大の教訓だ。各国がこの教訓を21年の対策に取り入れなければ、新型コロナの世界的流行はあと1年どころか、今後何年も続くことになりかねない。
(筆者はアメリカの健康シンクタンク「アクセス・ヘルス・インターナショナル」の会長兼社長)
<2020年12月29日/2021年1月5日号「ISSUES 2021」特集より>
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