最新記事

トランプ本

トランプ「アメリカは北朝鮮と戦争の瀬戸際まで行った」

Trump Told Woodward 'You Don't Know' How Close U.S. Was to War with Korea

2020年9月15日(火)16時05分
ジェームズ・ウォーカー

金正恩からトランプに宛てた書簡も、トランプのエゴをくすぐる「傑作」だった Kevin Lamarque-REUTERS

<ウッドワードの新著『怒り』では、トランプが自身の言葉で多くの秘密を暴露しているが、なかでもこれは核爆弾級だ>

ドナルド・トランプ大統領との17回のインタビューをもとに新著を出版したジャーナリストのボブ・ウッドワードは、軍の最高司令官であるトランプは、一時は北朝鮮と戦争の瀬戸際まで行った、他の人には想像もつかないほどだと語ったという。

新著出版直前の9月13日夜にCBSニュースの『60ミニッツ(60 Minutes)』に出演したウッドワードは、新著『RAGE 怒り』(邦訳は12月22日発売予定)のために行ったインタビューでのトランプの発言を引用。アメリカの人々は、アメリカが北朝鮮との戦争にどれほど近づいていたかを「知りもしなかった」と話した。

またトランプは大統領に就任した最初の年に、ジェームズ・マティス前国防長官に、アメリカを標的にする北朝鮮のミサイルは全て撃墜するよう指示したという。「トランプは私に繰り返し、我々がどれほど戦争に近づいていたか、きみたちは知らないだろうと語った」と、ウッドワードは言った。

トランプをほめ殺し

同時にトランプは、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との「友好的な」関係の詳細もウッドワードに語ったという。

首脳2人のあいだで交わされた書簡を目にしたウッドワードによれば、金は2人の関係性について「ファンタジー映画」のようだと表現し、書簡のなかでトランプを「閣下(Your Excellency)」と呼んでいたという。

金からトランプに送られた書簡を調べた米中央情報局(CIA)は「この手紙を書いた人間の正体をとうとう突き止められなかった」が、トランプの「誇大な自尊心」に訴えるという点で、これらの書簡は「傑作」だと語ったという。

トランプはウッドワードとの面談のなかで、金が自分に「すべて」を打ち明けたとも語り、例として2013年に自らのおじである張成沢(チャン・ソンテク)を処刑した際の生々しい描写を挙げたという。

(翻訳:ガリレオ)

<参考記事>中国は「第三次大戦を準備している」
<参考記事>「感染で死ぬか、飢えて死ぬか」北朝鮮、新型コロナ封鎖の地獄絵図

【話題の記事】
ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由
老化しない唯一の哺乳類、ハダカデバネズミ「発見」の意味
コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
米大学再開をぶち壊す学生たち、乱痴気騒ぎでクラスターも発生

20200922issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 5
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中