ニュース速報
ワールド

米議会下院、トランプ減税延長の予算決議案を可決

2025年04月11日(金)08時03分

 4月10日、米議会下院は、トランプ大統領が1期目の2017年に導入した減税の延長などを盛り込んだ予算決議案を賛成216票、反対214票で可決した。写真は、連邦議会議事堂。2024年11月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米議会下院は10日、トランプ大統領が1期目の2017年に導入した減税の延長などを盛り込んだ予算決議案を賛成216票、反対214票で可決した。野党民主党が反対したほか、与党共和党のタカ派議員からも歳出削減が不十分だとの批判が出て2人が反対票を投じた。

予算案では今後10年間に計約5兆ドルの減税と、約5兆7000億ドルの連邦政府債務の増加を見込んでいる。また、共和党はこの予算決議案を通じて連邦政府の債務上限を引き上げる計画だ。

トランプ氏は共和党所属の下院議員に賛成票を投じるように促し、可決後にはソーシャルメディア(SNS)で今回の可決について「わが国の歴史で最も偉大で、最も重要な署名の一つの舞台が整うことになる」と宣言した。

一方、今月5日に上院を通過した予算決議案は最低40億ドルの支出削減を求めている。共和党所属の上院議員団は40億ドルというのは最低限の金額で、今後数カ月間にさらに大きな歳出削減を可決することを妨げるものではないと説明している。

共和党内での意見対立の背景には、トランプ氏が導入を進めている輸入品への関税強化で金融市場が混乱していることがある。一部のエコノミストは貿易戦争が激化して米国が景気後退に陥ると予測しており、景気後退で歳入が減るとの見方が予算決議案の審議を難航させた。

財務省が10日に発表した3月の関税収入は87億5000万ドルと2022年9月以来、2年半ぶりの高水準となった。前年同月より約20億ドル増え、財務省関係者はトランプ氏による関税引き上げが押し上げ要因になったと述べた。

ただ、3月の関税収入は、減税延長による押し下げ分をカバーするのに必要な金額に遠く及ばないことを示唆している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは143円前半で上値重い、米関税の警

ビジネス

村田製作所、米で5000万ドル規模のベンチャーキャ

ワールド

NZと米のパートナーシップはなお重要、外相がハワイ

ワールド

中国高官、米関税を批判 「香港の生活奪う」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中