最新記事

新型コロナウイルス

幼児は新型コロナウイルスの最強の運び屋だった?──米研究

Children May Be 'Important Drivers' in Coronavirus Spread, Scientists Say

2020年7月31日(金)13時23分
カシュミラ・ガンダー

プレストンはさらにこう続けた。「子どもがウイルスを拡散する上で大きな役割を果たすかどうかという疑問を解明するには、この年齢グループをもっと幅広く調べる必要がある。今回の研究は、新型コロナウイルスに感染して体調が悪化した子どもが、ほかの人にウイルスをうつす可能性があることは示唆しているかもしれない。だがそれと、幼い子どもが一般にウイルス拡散において大きな役割を果たすかどうかという問題は、まったく別の話だ」

同じく今回の研究には参加していない、英レディング大学のイアン・ジョーンズ教授(ウイルス学)は、本誌に対して、今回の研究結果は驚きだったと語った。5月に米国医師会報に発表された別の研究では、子どもはウイルスが体内に入る際の入り口として使う「ACE2」という受容体が少ないため、感染しにくい可能性があると示唆していたからだ。

「今回の研究では、ウイルス量が多いことが感染力の強さにつながったのかどうか検証が行われていないし、子どもたちのくしゃみの勢いや感染期間の長さなど、その他の要因がウイルスの拡散に影響するかどうかも検証されていない」と彼は語った。

「さらなる分析が必要だ。だが今回のような研究から明らかなのは、症状が軽いからといって保有するウイルス量が少ない、あるいは全くないと見なすことはできないということだ」

【注目の記事】
韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で「TPOをわきまえろ」と論争に
世にも奇怪なKFCクロックスのコラボサンダルがバカ売れ
中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ
がんを発症の4年前に発見する血液検査

20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米EIA統計や報告、一部中止や簡素化の可能性 トラ

ワールド

トランプ氏、イスラエルのイラン攻撃計画支持せず 交

ビジネス

伊エスプレッソマシン製造社、香港投資会社が買収 M

ビジネス

エクイノールのNY州沖風力発電施設、米内務長官が建
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 6
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 7
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 10
    金沢の「尹奉吉記念館」問題を考える
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中