伊エスプレッソマシン製造社、香港投資会社が買収 MoMAに展示

4月16日、イタリアのコーヒー用品ブランドのビアレッティが、投資会社NUOキャピタルに事業を売却し、上場を廃止することで合意した。ローマで2016年撮影(2025年 ロイター/Max Rossi)
Alvise Armellini
[ローマ 16日 ロイター] - 八角形の家庭用エスプレッソマシン「モカ」がイタリアのアイコンとして人気を博してきたコーヒー用品ブランドのビアレッティが、投資会社NUOキャピタルに事業を売却し、上場を廃止することで合意した。両社が16日、発表した。
NUOキャピタルは香港の富豪パオ・チェン家の投資会社で、ルクセンブルク証券取引所に上場している。
ビアレッティが1933年に発売した「モカ」は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に展示されている。近年はカプセル式コーヒーメーカーとの競争に苦戦している上、ショッピングモールへの出店による拡大戦略がコロナ禍で失敗。2024年には110万ユーロの損失を計上し、純有利子負債は8190万ユーロに上った。
両社は、NUOキャピタルがビアレッティの主要株主から株式の78.6%を5300万ユーロで買収することで合意し、6月末までに取引が完了する見通し。残りの株式は1株当たり最低0.467ユーロで入札が行われる予定。
15日、イタリア証券取引所での同社株終値は0.279ユーロだった。今回の取引は時価総額を大幅に上回る買収額となる。
共同声明によると、所有権の移行後もビアレッティの最高経営責任者(CEO)は引き続きコッツィ氏が務める。