「この貞淑な花嫁は......男だ」 イスラムの教え強いインドネシア、ベール越しのデートで初夜まで気付かず
デートしても同性だと気付かなかったのは?
この時ムーさんはMITさんがイスラム教徒の女性が着用する頭部から口元までを覆う伝統的な衣装をつけていたため、女性であることに全く疑問を抱かなかったと警察の事情聴取に供述している。
離婚歴があるムーさんは結婚願望が強く、約1カ月の間にMITさんにプロポーズして結婚に漕ぎつけた。交際中に何度かムーさんはMITさんを彼の自宅に誘い、そこで大人の関係になる機会があったというが、MITさんは「生理中」として断ったことや、イスラム教徒女性のたしなみとして「結婚するまで待って」という言葉を口にしたため「慎み深い女性だ」と信じて「きれいな体のまま」で式の当日を迎えたという。
詐欺と名誉棄損で告発
結婚した新妻がよりによって男性だと知ったムーさんはショックと恥ずかしさに打ちのめされたものの、気を取り直してまず、離婚の手続きを開始し、同時に地元警察にMITさんを「詐欺」と「名誉棄損」の容疑で告発した。
ムーさんは「生物学上の性を隠しての結婚は"詐欺罪"に相当し、ムーさんの家族や共住地域のコミュニティーに恥をかかせ"名誉を棄損"した」と主張している。
訴えを受けて捜査に乗り出した警察に対しMITさんの方は「結婚前にムーさんは何度か親密な関係になろうとし、その際私の体を隅から隅まで手でなでたり触ったりして、私の体が彼の体と同じであることは理解していたはずだ」と供述しているという。
イスタグラムにアップされた2人の結婚式当日の写真では白い婚礼衣装で着飾ったMITさんがムーさんの横に並んでいるが、目以外の顔が見えない状況となっている。
同様のケースが過去にも、原因は宗教か
今回と同様のケースは2019年9月にスラウェシ島のセミダンアジ郡にある地区で少女TEさん(15)が男性NIさん(25)と結婚しようとしたが、直前にNIさんが男装している女性であることが判明して、結婚式がドタキャンされる事案があったという。