新型コロナ、感染者密度で見えてくる本当の危険度
新宿の繁華街で外出自粛を呼び掛ける東京都の職員(14日) Issei Kato-REUTERS
<感染者の各地域別の存在密度を算出すると、新型コロナウイルスの感染が身近に迫った現状を可視化できる>
新型コロナウイルス感染者の増加が止まらない。4月20日時点の国内の感染者は1万608人で、都道府県別の上位3位は東京3095人、大阪1212人、神奈川784人となっている(厚労省)。
感染者が多いのは都市部の都道府県だが、人口量が多いので当然とも言える。統計分析家の本川裕氏は、人口当たりの感染者数を都道府県別に計算し、東京より福井のほうが比率が高いことを明らかにしている(「新型コロナ感染率ワースト1位は東京ではなく、福井だった」プレジデント・オンライン、2020年3月6日)。病院が少ないことを考えると、地方への避難は必ずしも合理的ではないということだ。
人口当たりの出現率もいいが、怖いのは感染者との接触なので、面積を考慮した感染者の存在密度にするとどうだろう。神奈川県の感染者は784人で、本県の可住面積は1471平方キロだ。後者を前者で割ると、1.9平方キロ(1.4キロ四方)の土地に1人の感染者がいることになる。自転車で動き回る生活圏内に感染者がいるとみていい。
この指標を都道府県別に出し、危険度が高い順に並べると<表1>のようになる。可住面積を感染者数で割った値の平方根だ。
鹿児島では20キロ四方に1人だが、東京では0.7キロ(700メートル)四方に1人となっている。後者では、徒歩圏内に感染者がいる計算だ。感染者は病院やホテル等に隔離されているが、軽症の人は自宅療養になっているし、まだ発覚していない潜伏感染者の存在も考慮すると、現実の危険度を表しているとみていいだろう。