新型コロナ、感染者密度で見えてくる本当の危険度
東京都では、区市町村別の感染者数も公表されている。最も多いのは世田谷区の293人(4月19日時点)で、面積をこれで割って平方根をとると450メートル四方に1人となる。感染者の存在密度が最も高いは新宿区で、280メートル四方に1人だ。潜伏感染者も加えると、100メートル、いや50メートル四方に1人かもしれない。衝撃的な数字で、これだけ見ても不要不急の外出が憚られる。
<図1>は、都内23区の感染者存在密度を地図に落としたものだ。4月8日と4月19日時点の対比だが、わずか10日あまりで事態が深刻化しているのが分かる。色が濃いのは、500メートル四方未満(徒歩圏内)に1人の区で、4月19日時点では半分の区が該当する。来月には、どんな事態になっているのか。
感染者数がアップデートされるたびに人々は震え上がり、外出自粛要請を待たずとも、不要不急の外出は控えるようになっている。緊急事態宣言後の土曜日、JR渋谷駅の利用客(定期券外)は平常時より98%も減ったそうだ。若者は自宅にいるのが苦痛らしく、ついつい繁華街に出てしまうようだが、彼らとて上記のようなデータを見たら感染拡大の現実を認識するかもしれない。データは、どう見せるかも大事だ。
狭い土地に人口が密集した大都市は、感染症のような危機に弱い。東京一極集中の弊害が言われて久しいが、コロナ危機によりそれが露呈してきた。「ポスト・コロナ」の時代には、仕事のオンライン化と同時に、地方移住も進むかもしれない。
<資料:厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況」、
東京都保健福祉局「新型コロナウイルスに関連した患者の発生について 」>