韓国でMERSが拡大した理由──国民の生命より体制維持を優先する「持病」とは
Seoul’s Chronic Problem
最大野党・新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表は「政府が居直った」と、感染拡大の批判の矛先を朴市長に向けようとする動きを批判。李鐘杰(イ・ジョンゴル)院内代表は、政府による捜査を「悪習」と切り捨てた。
李が指摘する「悪習」の背景にあるのは、軍事政権以来、韓国に根強く残る強権政治の伝統だ。財閥との癒着も軍事政権以来の「悪習」。そもそも現在の朴大統領は、軍事政権の独裁者だった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の長女だ。
国民の生命という高い代償を払っても、なお「持病」を治療できないのなら──韓国社会をむしばむ問題は相当根が深い。
<2015年6月30日号掲載「MERS騒動と韓国の根深い病」より>
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