EU離脱は英連合王国の解体の始まり? 独立目指すスコットランド
本当に違法なのか
自治政府の首都エディンバラでの議会設置を定めた1998年スコットランド法のもとでは、英議会が「スコットランドとイングランドの王国連合」の物事を決めることになっている。スコットランド独立の是非を問う住民投票は、英議会が認可した場合のみ実施できると広く解釈されている。
しかし、裁判で争われたことはなく、法曹界や学者の中には、スコットランド議会には住民投票を行う権限があると主張する向きもある。
スコットランド行政府のラッセル憲法相はさきごろ、「すべての選択肢がテーブルにある」と述べ、裁判で争う可能性を排除しなかった。
強行という選択肢
SNPのスタージョン党首は、正当に認められた住民投票を通じてのみ英国からの離脱を模索すると語ったことがある。しかし独立派は、英議会の許可なしに投票を実施するよう、圧力を強めている。
英議会の承認なくスコットランドが住民投票を行った場合、北東部カタルーニャ自治州を巡ってスペインで起きたような怒りと混乱に見舞われる可能性がある。カタルーニャ自治政府が2017年に実施した投票に対し、スペイン政府は違法だと主張した。
スタージョン党首のアドバイザーだったケビン・プリングル氏は先週末のサンデー・タイムズ紙で「ジョンソン政権がノーと言っても、法的な手続きに則って進める合理的なケースはあり得る」と語った。
だが、これだとスコットランドの住民の多くが望むEU加盟は難しくなるかもしれない。違法に英国から分離したスコットランドのEU加盟を、スペインは拒否するだろう。カタルーニャの分離独立派を勢いづかせるかもしれないからだ。
(翻訳:久保信博、編集:田頭淳子)
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