運行停止した737MAX エチオピア航空遺族には米法律事務所群がる
多くの提案
エチオピア人のベイイヘ・デミシエさんは、客室乗務員の妻エルザベートさんを事故で失った。ベイイヘさんはロイターに対し、事故から3日後に、ウィザースプーン・ロー・グループを名乗る男の訪問を受けたと語った。だがベイイヘさんは気が動転しており、話もできなかったという。
その後2─3ヶ月にわたり、30社以上もの企業を名乗る人々が彼に接触してきた、とベイイヘさんは語る。ウィザースプーンの関係者も再訪、GALGの名もあったという。補償問題に関する訪問が続いたことで、妻の死が金になると示唆されたように感じて辛かった、とベイイヘさんは言う。
拒否されたアプローチ
8月、あるケニア人遺族のもとに、ミフレット・ギルマと名乗る女性からのメッセージが届いた。グリーフ・カウンセラーとケニア法曹協会との会合への出席を勧める内容だ。
このとき彼女は、自分とGALGやリベックとの関係を明らかにしていなかった、と遺族はミフレット氏からのメッセージを示しつつ語った。
ロイターが閲覧したほかのメッセージによれば、ミフレット氏は、メッセージングアプリ「ワッツアップ」上で、GALGのスタッフや米国人弁護士マニュエル・リベック氏、モニカ・リベック・ケリー氏を含むグループに参加していた。多くのメッセージから、GALGのスタッフやリベック夫妻が遺族に近づく方法について協議していたことが読み取れる。
イリノイ州懲戒委員会は、モニカ・リベック氏が2014年に、すでに契約を解除していた人物の名義で航空機事故に関する訴訟を起こしたとして非難決議をしている。
同委員会は2015年、マレーシア航空370便が行方不明になった事故に関する証拠開示手続について根拠なき訴訟を提起したとして、モニカ・リベック氏を60日間の資格停止とする勧告を行った。ただしこの処分は、再審理の結果、撤回されている。
ロイターが閲覧したGALGとリベック夫妻の間のメッセージによれば、リベック夫妻は今年、新会社としてGALGを設立した。複数の遺族が提供したメッセージや電子メールからは、GALGがクライアントをリベック夫妻に紹介していたことが明らかになった。
GALGがウェブサイトを開設したのは、事故からわずか18日後の3月28日であり、イリノイ州で会社定款を提出したのは4月24日のことだ。