最新記事

事故

運行停止した737MAX エチオピア航空遺族には米法律事務所群がる

2019年12月31日(火)09時00分

多くの提案

エチオピア人のベイイヘ・デミシエさんは、客室乗務員の妻エルザベートさんを事故で失った。ベイイヘさんはロイターに対し、事故から3日後に、ウィザースプーン・ロー・グループを名乗る男の訪問を受けたと語った。だがベイイヘさんは気が動転しており、話もできなかったという。

その後2─3ヶ月にわたり、30社以上もの企業を名乗る人々が彼に接触してきた、とベイイヘさんは語る。ウィザースプーンの関係者も再訪、GALGの名もあったという。補償問題に関する訪問が続いたことで、妻の死が金になると示唆されたように感じて辛かった、とベイイヘさんは言う。

拒否されたアプローチ

8月、あるケニア人遺族のもとに、ミフレット・ギルマと名乗る女性からのメッセージが届いた。グリーフ・カウンセラーとケニア法曹協会との会合への出席を勧める内容だ。

このとき彼女は、自分とGALGやリベックとの関係を明らかにしていなかった、と遺族はミフレット氏からのメッセージを示しつつ語った。

ロイターが閲覧したほかのメッセージによれば、ミフレット氏は、メッセージングアプリ「ワッツアップ」上で、GALGのスタッフや米国人弁護士マニュエル・リベック氏、モニカ・リベック・ケリー氏を含むグループに参加していた。多くのメッセージから、GALGのスタッフやリベック夫妻が遺族に近づく方法について協議していたことが読み取れる。

イリノイ州懲戒委員会は、モニカ・リベック氏が2014年に、すでに契約を解除していた人物の名義で航空機事故に関する訴訟を起こしたとして非難決議をしている。

同委員会は2015年、マレーシア航空370便が行方不明になった事故に関する証拠開示手続について根拠なき訴訟を提起したとして、モニカ・リベック氏を60日間の資格停止とする勧告を行った。ただしこの処分は、再審理の結果、撤回されている。

ロイターが閲覧したGALGとリベック夫妻の間のメッセージによれば、リベック夫妻は今年、新会社としてGALGを設立した。複数の遺族が提供したメッセージや電子メールからは、GALGがクライアントをリベック夫妻に紹介していたことが明らかになった。

GALGがウェブサイトを開設したのは、事故からわずか18日後の3月28日であり、イリノイ州で会社定款を提出したのは4月24日のことだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず

ビジネス

米債務持続性、金融安定への最大リスク インフレ懸念

ビジネス

米国株式市場=続伸、堅調な経済指標受け ギャップが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米景気好調で ビットコイン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中