最新記事

事故

運行停止した737MAX エチオピア航空遺族には米法律事務所群がる

2019年12月31日(火)09時00分

2018年10月にインドネシアで犠牲者189人を出したライオンエア機墜落事故と、その5カ月後に発生したエチオピア航空機墜落事故では、737MAXのソフトウエアが操縦士に不十分な情報しか提供していなかったエラーが絡んでいるものと見られている。だがボーイングは、これまでのところ、同機種の開発手法に問題があったことを認めていない。現在、737MAXの運航は中止されている。

ボーイングは訴訟についてのコメントを避けた。

招かれざる客

ケニアにあるポール・ンジョロゲさんの自宅に、招かれざる客が訪れたのは、エチオピア航空機墜落事故で亡くなった妻、3人の幼い子ども、義母の葬儀を終えた数時間後だった。

ンジョロゲさんによれば、その客は、法律事務所ウィーラー&フランクスの宣伝パンフレットを彼に渡したという。

ンジョロゲさんはロイターに対し、「私は相手に『誰の指示で来たのか。ここでは今、誰もが祈っている』と言ってやった」と話す。

他にも2組の遺族が、葬儀の前後にウィーラー&フランクスの弁護士や、その代理を名乗る人物の訪問を受けたと話している。

1998年のケニアにおける米大使館爆破事件で負傷した際にウィーラー&フランクスによる弁護を受けたジェームス・ンデダ氏は、ンジョロゲさんのもとを訪れたと話す。ンデダ氏によれば、同社の経営パートナーであるビル・ウィーラー氏とジェイミー・フランクス氏から、エチオピア航空機墜落事故の遺族との接触を手伝うよう依頼されたという。ウィーラー氏からは、彼の法律事務所と、ミシシッピのもう1社、イーブス・ロー・ファームの概要を伝える資料が送られてきた。

ンデダ氏は、自ら犠牲者遺族のもとを訪れたこともあれば、従業員を派遣したり、ビル・ウィーラー氏やジェイミー・フランクス氏、あるいはイーブスの調査員レオ・ジャクソン氏と同行したこともあると話している。ジャクソン氏はコメントを拒んでいる。

ウィーラー&フランクスとイーブスは共同で電子メールで回答し、先方から呼ばれた場合にのみ遺族と面会している、とした。

「伝えられた話は完全に間違っている」、「我々は先方から呼ばれなければ、遺族に接触することはない」としている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 5

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中