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来春の総選挙を前に「タマネギ法相」で深まる韓国の分断

2019年9月25日(水)11時14分
テジョン・カン

その後、娘の進学をめぐる疑惑が明るみに出ると、賛否は一気に逆転した。当時、曺の指名を支持すると答えたのはわずか18%だった。しかし、9月6日から7日にかけて休憩を挟み14時間以上に及んだ国会の人事聴聞会で曺が疑惑の追及を受けた後、彼を支持する人は約39%まで盛り返した。反対は51%だった。一方で、R&サーチが9月上旬に実施した世論調査では、約50.9%が自分は「中道派」だと答えている。

つまり、今後の選挙で与野党どちらに投票するか、まだ決めていない人が多いと考えられる。「共に民主党」は曺の法相任命を受けて、彼は韓国社会に正義と公正を広め、検察の在り方を改善することができるだろうというコメントを発表した。

さらに、曺と家族に対する捜査は、検察による政治問題への「介入」だと指摘。今後は検察組織の「刷新」も考えていくと付け加えた。自由韓国党は曺の辞任を求めて徹底抗戦の構えだ。法相任命を「政府の終焉」と非難し、特別検察官を置いて全ての疑惑の捜査を開始させようとしている。

政党と国民がこのように分断されることは、韓国にとって決して好ましい状況ではない。懸念されるのは、対立が収まる気配が見えないことだ。

©2019 The Diplomat

<本誌2019年10月1日号掲載>

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