中国食品大手、肉厚の中国在来鶏に活路 品種改良で海外進出目指す
より小規模なHunan Xiangjia Animal Husbandryなどの在来種生産企業は、すでにスーパーマーケットやネット上の食品販売サイトでの売上げを伸ばしている。Hunan Xiangjiaによれば、2017年の売上高約6億4600万元のうち、半分以上が加工済み鶏肉だという。
温氏食品では現在、生産した鶏の約8割に相当する年間約6億羽を、生きたまま市場に販売している、と温氏は言う。
ラボバンクでシニアアナリストを務めるパン・チェンジュン氏は、世界第5位の規模の養鶏企業が小売にシフトすれば、市場に大きな影響を与える可能性があるという。白毛種の鶏肉に言及し、「消費者が高級品志向を強め、もっと味のよい商品を探すようになるにつれて、鶏肉市場には確実に影響が出るだろう」と語った。
冷蔵鶏肉
温氏食品は、新たな販路に注意を向けざるを得ない状況にある。新鮮さを確保するために鶏を生きたまま買うという慣習のせいで、同社は近年の鳥インフルエンザ流行の際、市場閉鎖に対する脆弱さを露呈してしまった。
昨年流行した中国史上最悪の鳥インフルエンザによって、約300人の犠牲者が出ており、その多くが生きた鶏の売買を扱う労働者だった。
市場閉鎖と鶏肉価格が30%下落したことで、温氏食品の2017年利益は46%低下した。
春に市場が再開されたことで売上げは回復したが、当局が流行拡大を防ぐために一部の市場を完全に閉鎖するなど、市場の閉鎖が日常化するとの予想もある。
また、多忙な若年層の都市住民がもっと利用しやすい食品購入経路を選択するようになれば、こうした[生きた鶏を扱う]市場における需要は減少するだろう。
温氏は、「打開策が見つからなければ、黄毛種の消費量は徐々に減少していくだろう」と言う。