最新記事

中国食品大手、肉厚の中国在来鶏に活路 品種改良で海外進出目指す

2018年6月22日(金)18時42分

6月13日、中国の鶏肉大手、広東温氏食品<300498.SZ>は、国内で急成長するスーパーマーケットやファーストフードの市場の取り込みを狙い、遺伝子工学に高い関心を注いでいる。中国広州で2013年撮影(2018年 ロイター/Alex Lee)

中国の鶏肉大手、広東温氏食品<300498.SZ>は、国内で急成長するスーパーマーケットやファーストフードの市場の取り込みを狙い、遺伝子工学に高い関心を注いでいる。

レストランチェーンやスーパー向けの供給を改善するため、自社に設けた遺伝子バンクと繁殖部門を基盤として、より肉量の多い新たな品種の鶏をつくり出そうとしている。同社の代表取締役で、筆頭株主でもある温鵬程氏が、ロイターとのインタビューで明らかにした。

鶏を生きたまま顧客に販売する地方市場向けの事業から出発した温氏食品にとっては、これは大きな進路変更となる。

「ある程度の重量が必要で、見栄えがよく、味も人々の期待に応えるものでなければならない」と、温氏は自社が目指す新たな品種について説明する。品種開発に成功すれば、1羽あたりの肉量が多いブロイラーを販売する福建聖農発展<002299.SZ>などのシェアを奪う可能性がある。

温氏食品がこうした動きに出る背景には、主力製品の豚肉が価格の急落に苦しんでいる状況がある。2017年純利益は、売上高557億元(約9600億円)に対して68億元と、前年比で42.6%減少した。

豚肉が過剰供給となる中で、今年の業績はさらに悪化することが確実だ。第1・四半期の純利益は14億元と4.4%減少し、温氏食品の株価は年初来で15%下落した。

鶏肉加工の福建聖農発展や養豚企業の牧原食品<002714.SZ>など、規模は劣るが専門性の高い競合他社と比べ、株価収益率の点で劣るとはいえ、温氏食品には十分な規模があるため、豚肉事業で損失が長引いたとしても耐えることができる、と中泰証券アナリスト、チェン・ルー氏は語る。

「これまでも常に周期的な価格変動は見られた」とルー氏は語り、鶏肉事業部がリスクを「フラット化」するだろうと言葉を添えた。

昨年、中国鶏肉市場の約4割となる約470万トンを占めた在来種の「黄毛種」において、温氏食品は国内有数の生産者である。

黄毛種の鶏は成長が遅いが、グローバル企業が生産する白毛種のブロイラーよりも好まれている。味が濃いため鶏を煮込んだスープなどの人気料理に向いており、歯応えもあり、栄養価も優れているという、もっぱらの評判だからだ。

温氏食品が計画しているのは、味の良さと同時に肉量も多い在来種を開発することだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ECB、6会合連続利下げ 貿易戦争で「異例の不確実

ビジネス

IMF、経済成長予測を大幅に下方修正へ 世界的な景

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

トランプ氏、FRBに利下げ要求 パウエル議長解任「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 8
    金沢の「尹奉吉記念館」問題を考える
  • 9
    「体調不良で...」機内で斜め前の女性が「仕事休みま…
  • 10
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中