最新記事

朝鮮半島

韓国・文大統領「米朝首脳会談成功すれば、南北米3者協議で終戦宣言も」

2018年5月27日(日)11時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

26日に電撃的な南北首脳会談について語る文大統領 YTN / YouTube

<対話か訣別か、米朝首脳会談をめぐる動きが二転三転するなか、韓国の文大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長は26日午後、極秘のうちに首脳会談を行った>

26日午後、板門店で行われた南北首脳会談は、金委員長が25日午後「一切の形式は必要ないので、会いたい」と文大統領に伝えてきて実現したものだった。

会談は26日午後3時から5時まで、板門店にある北朝鮮側の施設「統一閣」で開催された。軍事境界線を越えてきた文大統領を北朝鮮軍の儀仗隊が出迎え、金汝貞(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長も挨拶を交わしたという。文大統領と金委員長の首脳会談には韓国側から叙勲(ソ・フン)の国家情報院院長と金英徹(キム・ヨンチョル)北朝鮮統一戦線部長が同席した。

文大統領は27日午前、大統領府で記者会見を行い、2度目の南北会談について説明した。YTNなど韓国メディアによれば、文大統領は「両首脳は6月12日に予定された米朝首脳会談が成功裡に行われなければならず、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制に向けた歩みは、決して中断できないという点を確認し、これを向けて緊密に相互協力することにした」と話した。

文大統領は「北朝鮮の金正恩委員長は、4月に発表した板門店宣言に続いて、再度、朝鮮半島の完全な非核化の意志を明確にしており、米朝首脳会談の成功を通じて、戦争や対立の歴史を清算し、平和と繁栄に向けて協力するという意思を表明した」と明らかにした。

また文大統領は「南北高官級会談を6月1日に開催し、軍事的緊張緩和に向けた軍事当局者会談と離散家族再会に向けた赤十字会談を相次いで開催することで合意した。両首脳は今回の会談が必要に応じて迅速かつ、格式ばらずに開催されたことに、大きな意味があると評価しており、これからも必要な場合、いつでも相互に連絡したり会うことで、隔てなく対話することにした」と語り、今後も必要に応じて金委員長と会うことを明らかにした。


26日の南北首脳会談について記者会見する文大統領 YTN / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アクティビスト、世界で動きが活発化 第1四半期は米

ワールド

フィンランドも対人地雷禁止条約離脱へ、ロシアの脅威

ワールド

米USTR、インドの貿易障壁に懸念 輸入要件「煩雑

ワールド

米議会上院の調査小委員会、メタの中国市場参入問題を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中