アジア人観光客が世界のトラベル市場を牽引する
中国人旅行者の増加は、世界を変えつつある3つのトレンドに合致している。その3つとは、新興国における中間層の台頭、国境を越えたヒト・モノ・カネ・情報の流れの加速、急速に進む都市化だ。
世界の人口の85%以上が北米とヨーロッパ以外の地域に暮らしている今、アジア、アフリカ、中南米――特に中国の中間層に旅行業界の未来が懸かっているのは当然の成り行きだろう。
「接続性」という言葉はグローバル化をめぐる議論で通信技術やサプライチェーンに絡めて使われることが多いが、航空機による接続性がこの四半世紀に飛躍的に良くなったことも見逃せない。そのおかげで中国人は1世代前までは考えられなかったほど広く世界各地を旅するようになった。
このトレンドに目を付けて、部屋に中国語で歓迎のメッセージが書かれたカードを置き、旧正月には赤い封筒を使うなど、あの手この手で中国人客を呼び寄せようとしているアメリカのホテルチェーンがもう1つある。
どこかって? 答えはトランプ・ホテルグループ。ビジネスはビジネスというわけだ。
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[2017年10月10日号掲載]