最新記事

米政権

トランプ政権がルクセンブルク首相のゲイ・ハズバンドを黙殺!?

2017年5月29日(月)20時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

修正まで半日、謝罪なし

デストネの名前を省略したフェイスブックの投稿は何時間も放置された。ようやく対応があったのは最初の投稿から約12時間後の土曜日深夜で、説明文に「ルクセンブルクのゴティエ・デストネ」が追加された。

米ニューズウィークによれば、この件についてホワイトハウスはコメント要請に応じていない。

トランプは以前、同性婚は違憲だとして反対の立場を示していたが、選挙戦が佳境に入ると態度を一変。昨年11月の米CBSテレビのインタビューでは、オバマ政権時に合法化された同性婚について「最高裁で決着した。それで構わない」と述べた。今回の「ミス」についてオーストラリア放送協会(ABC)は、トランプ政権内に同性婚に強く反対するマイク・ペンス 副大統領が存在することを指摘している。

【参考記事】「ゲイは献血禁止」差別撤廃へ
【参考記事】同性婚を支持したオバマの大勝負

それより祝福ムードが勝った

以前から同性愛者であることを公表していたベッテル首相は2013年に現職に就任。同性婚が合法化された2015年以来、ふたりは結婚生活を続けている。

(ベッテルが首相に就任した2013年には、夫婦とほぼ同等の権利が認められる市民パートナーシップの関係だった2人)


ホワイトハウスの「ミス」で水を差された気もするが、史上初めて「ファースト・ジェントルマン」が集合写真に収まる様子は各国のメディアで伝えられ、ツイッタ―は「#GauthierDestenay(ゴティエ・デストネ)」というハッシュタグを添えた、喜びの投稿で溢れた。




(平等への一歩。NATOサミットにルクセンブルクのゲイの首相の配偶者が参加!)


そして最後に、この写真にはもうひとつ厳しい突っ込みがあった。

(エルドアン首相夫人が「ファースト・ジェントルマン」のせいですごい不機嫌に見えるのは、私だけ?)


トルコ政府は、世界各地で LGBTのコミュニティーの権利を祝うゲイ・プライド・パレードの開催をこの2年ほど禁止。抗議に集まった人と警察が衝突するなど、対立が続いている。エルドアン首相夫人には、デストネは揉め事の種にしか見えなかったのかもしれない。

【参考記事】ゲイ・コンテストに生きる希望を見出すシリア難民
【参考記事】「あなたはゲイですか?」って聞いてもいいんですか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、メキシコとカナダに25%の関税課す トランプ氏

ワールド

ブラックボックスの回収まだ、米旅客機と軍ヘリ空中衝

ワールド

オープンAI、資金調達交渉 評価額最大3400億ド

ビジネス

米GDP、24年第4四半期速報値は+2.3%に減速
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 4
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 5
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中