米1月求人件数、23万件増 解雇減も今後の労働需要は鈍化か

米労働省が11日発表した1月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が23万2000件増加して774万件になった。ニューヨークで2022年4月撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した1月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が23万2000件増加して774万件になった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は763万件だった。
労働市場は今のところ安定している。ただ、輸入関税を巡る不透明感や政府の積極的な歳出削減により経済活動が急減速する恐れがあるため、今後数カ月で労働需要は弱まる公算が大きい。
失業者1人当たりの求人件数は1.13で、12月の1.09から増加した。
ブリーン・キャピタルの上級経済顧問コンラッド・デクアドロス氏は「今回の数字は、新政権で始まった政策体制の転換以前に労働市場が継続的な拡大という観点から健全であったことを示している。しかし残念ながら、関税の脅威と高まる不確実性に企業がどう対応するかについては何も語っておらず、それが明らかになるまでには数カ月かかる可能性がある」と指摘した。
12月分は、前回発表の760万件から750万8000件に下方修正された。
1月の求人数の増加は小売業がけん引し、14万3000件増となった。金融部門では12万2000件、医療および社会福祉では5万8000件増加した。
一方、専門・ビジネスサービス部門の求人数は12万2000件減少。レジャー・ホスピタリティー部門は4万6000件だった。
連邦政府の求人数は3000件減少。これはトランプ政権による採用凍結を反映しているとみられる。
求人率は12月の4.5%から1月は4.6%に上昇した。
1月の解雇は3万4000人減少し163万5000人。4カ月連続で減少し、昨年6月以来の最低水準となった。
しかし、雇用主の間で慎重姿勢が広がる中、採用の機会は縮小し続けている。採用件数は1万9000人増の539万3000人となった。