駐米中国大使とも密通していたクシュナー氏
だから、4月6日、7日の米州首脳会談では習近平国家主席はトランプ大統領に「一帯一路サミットフォーラムに米国が参加するように」、優先的に依頼した。
中国における米中首脳会談の報道は、「一帯一路サミットフォーラムに米国代表を送るようにトランプ大統領に言った」ということが最も大きな成果として挙げられていた。あたかも、トランプ大統領が「承諾した」というような報道のしようだった。
案の定、アメリカは代表を送り込み、日本もアメリカに倣(なら)った。
中国の計算通りだ。
アメリカがTPPから撤退した以上、グローバル経済の世界の覇者になるのは中国だと、中国は思っている。
そのためには人民元の国際化だけでなく、国際金融の中心をウォールストリートから北京に持っていくことが重要だ。
一帯一路とAIIBはペアで動いており、一帯一路は中国の安全保障を裏づけていく構想でもある。インフラ投資を表向きの看板としているが、それを名目として一帯一路沿線国・地域、つまり陸と海の新シルクロード経由地に物流の拠点とともに軍港を建設していく。すべて中国の影響力下に置くという寸法だ。
この構想の中に日米が「ひれ伏して」入ってくるなら、世界はもう、中国のものだ。中国はそう思っている。
習近平政権の国家スローガン「中華民族の偉大なる復興」とは、アヘン戦争でイギリスに敗北して以来の列強諸国による中国の植民地化に対する報復と、日米を凌駕することなのである。
日中関係改善の兆しなどと喜んでいていいのか
拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』で詳述したように、中国共産党・毛沢東は「統一戦線」の名のもとに国共合作をし、「日本軍と戦う振りをして日本軍と手を組み」、日本の対戦相手である国民党・蒋介石を弱体化させていった。そして毛沢東は最終的に天下を取ったのである。
「統一戦線を張れ」と命令してきたのはモスクワのコミンテルンだ。
まさに、第二次世界大戦のときに旧ソ連のコミンテルンがアメリカのルーズベルト政権に潜り込み、日本の近衛内閣にも潜り込んで、ソ連に有利な方向に世界を持っていき、そして日本を一気に敗戦へと追い込んだ状況を彷彿とさせる。
あのころのコミンテルンの役割を、いまロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が演じている。
中国の洗脳の力を軽んじてはならない。