北朝鮮、仮想通貨開発者狙い米国に企業設立 マルウエア感染図る

4月24日、北朝鮮のサイバースパイが米財務省の制裁に違反して米国内に2つの企業を設立し、暗号資産(仮想通貨)業界の開発者をマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染させようとしていたことが分かった。2017年5月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Kacper Pempel/Illustration)
[デトロイト/ロンドン 24日 ロイター] - 北朝鮮のサイバースパイが米財務省の制裁に違反して米国内に2つの企業を設立し、暗号資産(仮想通貨)業界の開発者をマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染させようとしていたことが分かった。サイバーセキュリティー会社の関係者が証言したほか、ロイターが関連文書の内容を確認した。
サイバーセキュリティー会社サイレント・プッシュの研究者によると、2つの企業はニューメキシコ州とニューヨーク州で設立されている。他にも計画に関与している企業が1社あるが、米国内では登記されていないとみられる。
サイレント・プッシュの幹部によると、求職者を狙う北朝鮮のハッカーが隠れみのを作るために実際に米国で合法的な企業の設立に成功するのは珍しい。
サイレント・プッシュによると、このハッカー集団は北朝鮮当局の傘下にあるハッカー集団「ラザルス」の下部組織。
米連邦捜査局(FBI)はこの2社について具体的なコメントを避けた。しかし24日にこのうちの1社のウェブサイトに掲載されたFBIの通知によると、同社のドメインは「偽の求人広告で個人を欺き、マルウエアを配布するために使われた」として差し押さえの措置を受けた。
ロイターはこの2社の登記書類を確認したが、書類に記された人物の所在を確認できなかった。