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アイデアのプロが愛用する考具「マンダラート」とは何か

2017年4月4日(火)18時12分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 こんな使い方もできます。

 今度はクルマ。新型車の記者発表会(マスコミの方々を招いてのPRイベント)のアイデアを考えなければならない、としましょう。

 記者発表会であれば、新商品の特長を端的に伝えたいものです。記者発表時にはニュースリリースという報道用の資料を配付します。ニュースリリースでは見出しが重要。その商品で一番伝えたいことを言わないといけません。「○○新発売!」だけでは能がない。

 さらに集まっていただいたカメラマンのことも考えたい。シャッターを押したくなるような発表の仕方はないか? と考えたいわけです。

 クルマの種類でずいぶん違いますが、ミニバンの新型車だと仮定します。

 ニュースリリースの見出しを考えていく場合だったら、1枚目のマンダラの真ん中に「見出し?」と置いてみましょう。自分だけが分かればいいので「ニュースリリースの見出し」なんて面倒なので全部は書きません。

 この場合、見出しとは、すなわちミニバンの特長のこと。

「8人乗り」
「広いユーティリティスペース」
「ミニバンだけど馬力」
「燃費」
「かっこいい」
「×××(デザイナーの名前)」
「競合より20マン安い」

 ......いろいろありそうですね。8つをオーバーしそうだったら、とりあえずセルの脇に書いておいてください。後でどうするか考えましょう。

 さらに展開していきます。「広いユーティリティスペース」だけでは、ライバルとの違いが分かりませんよね。マスコミだって取り上げてくれないでしょう。

 2枚目の真ん中に「広いUスペース?」と書いて、周辺の8つを埋めます。最初に、どこが広いのか? を書き出してみましょうか。「広いUスペース?」の下に「どこが?」と付け足して、クルマの資料を読み返したり、記憶をたどってセルを埋めていきます。

「トランク」
「トランクの下部スペース」
「後部座席の足もと」
「ドアポケット」
「たためる後部座席」
「ヘッドクリアランス」
「コンソールパネル周り」
「運転席」......運転席? ちょっと違うかな、と思ってもためらわず書いておきましょう。アイデアに遠慮は厳禁です。

 とりあえずここまでの段階でもいくつかの切り口が考えられます。

「ユーティリティスペースの多さ」──いろいろ収納できるような広さが確保されているスペースの数、に着目する。

「合計○○リットル」──確保した広さを容量で示すのもアイデア。

「運転席まで広い」──ユーティリティスペースにプラスして運転席までも広い、と少しずらしたアイデアも。アイデアを思いついたらすかさずメモっておくことを忘れずに。絞るのは後で。さあ、いくつのアイデアが見つかるでしょうか?

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