【写真特集】震災から6年、福島の日常に残された傷跡
震災前は浪江町で酪農をしていた今野剛さん。現在は場所を変えて酪農を続けている(本宮市、1月1日撮影)
<被災した福島の人たちはそれぞれに新しい生活を歩み始めている。しかし震災前のかつての日常が戻って来ることはもうない>
被災地は、まもなく震災から6年を迎える。
今年の年明けから、福島には何度も足を運んだ。
震災以降、取材を続けている人たちの状況はめまぐるしく変わり、季節は何度も移ろってきた。それでも福島の景色は、津波や原発事故に見舞われた事実を忘れさせてくれない。
復興に向けて歩み始めた人々の姿を捉えようと、現在の景色を切り取ってみた。しかし当たり前のことだが、そこにあるのは震災で深い傷を負った福島の姿だ。
【参考記事】<Picture Power>置き去りにされた被災者家族の願い
6年に渡ってずっと見つめてきたある酪農家の家族は、廃業した後も馬や羊の世話が苦悩を癒していた。街は一見、落ち着いているように見えるが、人々の生活に足を踏み入れてみると、そこには被災者しか感じることのないストレスが溢れている。
震災で失われた、かつての福島の日常が戻ることはもうない。それでも人々は、新たな日常を手にしようと立ち向かっている。