日本にもスタートアップの時代がやって来る
森 モノ自体に価値があるんじゃなくて、お客さんにとってもうひとつ、より強い動機とか、より強い価値がないと手に取ってもらえないのかなって思っています。
「LaFabric」のアプローチとしては、生産背景とか、これはどこそこの県のなんとかっていう地域で作られたスーツですってことを、すべて見せてあげるんです。商品がたどってきたストーリーを伝えるということですね。
それも言ってみれば、中澤さんが言うように、自慢できる、人に語れるっていうことですよね。しかもオーダーメイドなんで、このポケットはこういうつもりで選んだんだ、といったことまで語れる。そういうものがないと、ただモノを作るだけでは足りないのかなと思っています。
長沼 おふたりのビジネスは、「コミュニケーション時代におけるメーカー」という感じがしますね。
人が究極的に求めるのは、対面であったり、コミュニケーションであったりするという話が加谷さんの本にも書かれていましたが、人とのつながりに大きな価値を置く人たちが増えていることが、おふたりのようなビジネスが成功する背景にあると感じます。
だから、そういう部分にマッチしたモノづくりが、これからの時代には求められるのでしょうね。
中澤 昔テレビが初めて登場して、みんなが「ほしい!」って殺到した時代とは、もう違うじゃないですか。なんでもすでにある時代なので、あって当たり前のものを別のものに置き換えたり、どこにでも売っているものを選んだりする行動の意味を、作り手が定義づけしてあげなきゃいけないんじゃないかと思います。
※座談会・後編:「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと
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