最新記事

サイエンス

素人を「錦織圭」に育てる脳アプリ

2014年11月17日(月)12時15分
ケビン・メイニー

ビジネスマンには敬遠される?

 科学と装置とデータがそろった今、それらを組み合わせた脳アプリも実現可能になった。

 例えばスポーツ製品製造会社のインフォモーションは、「スマートセンサー・バスケットボール」を販売。ボールに内蔵された装置が加速度や回転を追跡し、アプリにデータを送信してより正確にシュートする方法を知らせてくれる。これを脳波や心拍、発汗などの生物データと組み合わせて、最高のシュートができる最高の精神状態を保てるように訓練できる。

 スポーツに当てはまるものは、仕事や生活にも応用できる。どんな分野の人でも、最高のパフォーマンスをする方法を学び、自分の脳をその状態に持っていくよう訓練できるはずだ。

 この技術は仕事場でも浸透するだろうか。当面において最大のハードルは、ずばり見た目だ。「水兵だったら何であろうが頭に着けるだろうが、一般のビジネスマンには受け入れられないだろう」と、クルーズは冷ややかに語る。

 5年前だったら、無線通信のヘッドホンを着けて仕事をしていたら「スタートレックか」と同僚にからからかわれただろう。でも今や、この技術は急速に研究が進んでいる。職場を見渡せば、脳アプリを頭に装着した同僚だらけ......という日が来るのもそう遠くないかもしれない。

[2014年6月24日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ハドソン川にヘリ墜落、少なくとも5人死亡との報道

ビジネス

米財政赤字、3月は1610億ドルに縮小 関税歳入が

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、政府の政策明確化まで金利据え置き

ワールド

トランプ氏、日鉄によるUSスチール買収の必要性に懐
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が見せた「全力のよろこび」に反響
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 9
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 10
    「宮殿は我慢ならない」王室ジョークにも余裕の笑み…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 10
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中