米軍のアフガン駐留を中国が望む理由
マンスールはパキスタンのアフガン国境に近いところで活動中と伝えられている。両国のタリバン勢力もウイグル族の分離独立派と協力し、その支援に回っているようだ。
中国はテロ拡大懸念から対アフガン積極関与策へと傾いてきた。王毅(ワン・イー)外相は最近の記者会見で、「アフガニスタンの平和と安定は中国西部の治安に直接影響する」と述べた。
王によると、中国は「国際社会と協力してアフガニスタンで政治的な和解を促し、和平と復興の努力を支援しながら地域間協力への関与を奨励する」。年内には域内で信頼協力関係を醸成するための閣僚級会合を中国が主催する予定だ。
冬季五輪のために訪れたソチでカルザイと会談した習近平(シー・チーピン)国家主席は、アフガニスタン復興に向けて経済支援を約束した。特に人材育成で協力できると強調している。王も2月に首都カブールを訪れ、「軍と警察への訓練および物資面での支援」を申し出た。インフラ整備やエネルギー関連の投資の可能性にも言及している。
ただ、中国がいくら治安問題を憂慮していると言っても、中国軍が米軍の代わりになるかどうかは定かではない。かねてからアメリカの覇権主義や封じ込め政策を懸念してきた中国だが、アフガニスタンでは米軍に残留してもらいたいのだ。
政治経済の面でアフガニスタンと効果的な協力をするには、中国にとっても米軍のプレゼンスが欠かせない。
From thediplomat.com
[2014年4月 8日号掲載]