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未来の「お酒」を飲んで二日酔いとおさらば

2013年12月20日(金)15時19分
ジョン・エリクソン

試飲した教授の感想は

 つまりナットの言うアルコール代替物は、アルコールやコカイン、ヘロインなどの興奮剤と同じように神経伝達物質に働き掛けるよう設計されている。だがこれらとは違い、副作用は引き起こさないというわけだ。

 ナットは望ましい効果だけをGABAにもたらすと考えられる化合物をこれまでに5つ、特定した。効果や安全性に関する試験が完了すれば、これらの化合物を使って気持ちよい酔いだけが味わえる新種のカクテルを作ることも夢ではない。

 おまけに、このカクテルにはアルコールのあらゆる影響を打ち消す「解毒剤」としての効果も期待できる。もしかしたら、はしご酒をした後でも、安全に車を運転して帰宅することも可能になるかもしれない。

 ナットの新発見を基に、本物の酒の代替物を完成させるまでの道のりは長く、費用も掛かるだろう。だがナットは既にそんな未来を少し体験している。

「私は実際に、2つの効果を確認してみた」と彼は言う。「有望な化合物のうち1つを飲んでみたら、1時間かそこらの間、私は非常にリラックスし、酔っぱらって眠くなった。その後に解毒効果のある薬品を飲んだら、今度はほんの数分で頭がすっきりし、何の問題もなく講義をすることができた」

 楽しく酔っぱらい、飲み過ぎて後悔することもない。そんな夢のカクテルの誕生が楽しみだ。

[2013年12月17日号掲載]

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