「元親米」グルジアがイランに急接近
2010年7月1日(木)17時00分
イランと手を組んでリスクヘッジを
米政府は、グルジアの経済活動には立ち入らないとして、イランとの急接近についてコメントを控えている。「アメリカは喜んではいないが、現実問題としてグルジアが近隣諸国と良好な関係を築く必要があることは理解している」と、グルジア戦略的国際問題基金のアレクサンダー・ロンデリ所長は言う。「イランがそこにあるという地理を無視することはできない」
グルジアの政府関係者も、イランとの交流は「グルジアの外交政策の変更を意味するものではない。また、EU(欧州連合)とNATOへの加盟という優先目標と相容れないものでもない」と強調する。
実際、ロンデリに言わせれば、グルジアがイランに接近した背景には、アメリカとイランの対立を解消したいという思惑があるという。対立が長引けばロシアのアメリカへの影響力がさらに強まり(オバマは安保理でロシアの賛成票が必要だ)、グルジアにとって脅威となるからだ。
ただし、近隣に新たな「友人」をつくることで、グルジア政府がリスクヘッジをしている面があるのも間違いない。たとえ、その相手がアメリカの敵であったとしても。
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