米経済に危険信号、消費と物価に警戒感=フィラデルフィア連銀総裁

米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は6日、経済は足元好調に推移しているものの、問題が差し迫っていることを示唆する危険信号も出ているという認識を示した。写真は2012年4月撮影(2025年 ロイター/Joshua Roberts)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は6日、経済は足元好調に推移しているものの、消費にストレスの兆候が見られ、インフレ見通しにリスクが存在するなど、問題が差し迫っていることを示唆する危険信号が出ているという認識を示した。
ハーカー総裁は「失業率は依然低く、成長も続いているが、これに対する脅威は存在する。(企業や消費者の)信頼感が薄れつつある状況を確認している」と述べた。
さらに、インフレ後退が継続すると見込んでいるとしつつも、「インフレ鈍化がリスクにさらされるのではないかと懸念している」と言及。富裕層以外の消費者がストレスにさらされていることを示す証拠も増えていると述べた。
また、政府の借入れと世界の基軸通貨としてのドルの役割に関する懸念も表明。ドルの地位は法の支配によって支えられているものの、法の支配の面での脅威が見られるとし、ドルの力強さの維持について「現時点では大きく心配していないが、懸念は徐々に強まりつつある」と語った。
連邦準備理事会(FRB)の金利政策については、不確実性が高いときはいずれの方向にも急激な動きは避けるべきと述べるにとどめ、直接的な言及は避けた。
ハーカー氏は年内にフィラデルフィア地区連銀総裁を退任する。