最新記事

SNS

「インスタグラマーにはもううんざり!得するのはビキニ会社だけ」 豪華リゾートで進むSNS離れ

2018年6月28日(木)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

よくある構図(写真はイメージです) gmast3r-iStock

<インスタに溢れる、リゾートでくつろぐビキニの女性たち。自分のアカウントで載せている写真は作り込めたとしても、ホテル側の呆れの声は偽れない...>

澄き通った海、白い砂浜、ラグジュアリーホテル――モルディブは、世界で1番インスタ映えする場所。このインド洋に浮かぶ楽園は、人気の新婚旅行先であり、AリストのVIPやインスタ・エリートとでもいうべきインフルエンサーから愛されるディスティネーションだ。

ところで、インフルエンサーと呼ばれる人たちがその費用をどう工面しているのか、疑問に思ったことはないだろうか?彼らのほとんどは、自分で負担しているわけではない。SNSで紹介する見返りとして、高級ホテルにタダで滞在しているのだ。

しかし、インフルエンサーをひたすら厚遇するという風潮にも、変化が訪れているようだ。

instagood180628.jpg
バリのリゾート olegbreslavtsev-iStock

インフルエンサーだから無料で泊めて!

オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」によると、モルディブの5つ星リゾートで働くケイト・ジョーンズの元には、こんな問い合わせがくるらしい。「インスタに2投稿するから、10泊させて。それで『2000いいね』がつくはずよ」。さらに最近では、フェイスブックを利用しているだけで自分がインフルエンサーだと名乗る人もいるらしい。「私はフェイスブックで友達が600人いる。インフルエンサーだから、7泊させてほしい」と言うそうだ。

こういった類いのリクエストを、少なくとも1日に6回は受けると言う。「彼らは平均して5〜7泊分の宿泊費と食事代や施設利用費、アクティビティ料金などオールインクルーシブで負担してもらえると期待している。モルディブは安いディスティネーションではないのに、信じられないくらい多くの人がパラダイスへのフリーパスがもらえると思っている」と、アトランティック誌に語る。

トラベルブロガーは、こうした交渉は当然だと思っている。ラグジュアリーホテルの多くが、彼らのオンライン上での批評がおよぼす影響を恐れているのだ。

【参考記事】4.3億回、中国人に再生された日本人クリエイター

美しいヴィラが自慢のモルディブのフラワリ アイランド リゾートのウェブサイトには、インフルエンサーを対象としたセクションがあり、「デジタルマーケット戦略の一環として、インフルエンサーと積極的にコラボレートしていく」と、明記している。「オーディエンスへの影響力が強く、忠実なフォロワーを持ち、量よりも質にこだわったコンテンツを作る人。かつ自身のブランド力が、ホテルがターゲットとするオーディエンス、価値観、マーケティングゴールとマッチするインフルエンサーを歓迎する」。

応募のフォームには、フォロワー数や平均エンゲージメント率のほか、予定している切り口やストーリーについて記入する項目がある。

多くの人々がインスピレーション源としてSNSを活用することになったことで、インフルエンサーへのサービスが激化するのは理にかなうとも言えるが、この状況がただただエスカレートしたせいで、少々勘違いしたインフルエンサーが現れているのも事実だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中