ドル一時142.88円、半年ぶり安値 米関税懸念払拭できず=東京外為市場

11日午前のドルは売りが強まり、一時142.88円まで下落し、昨年9月30日以来、半年ぶり安値を更新した。写真は都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 11日 ロイター] - 11日午前のドルは売りが強まり、一時142.88円まで下落し、昨年9月30日以来、半年ぶり安値を更新した。米国の高関税政策への懸念が重しとなり、リスク回避的に円やスイスフランが買われた。
前日海外でドルが売られた流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行した。午前7時過ぎに144円台を割り込んで、米国が対中国以外の貿易相手国への相互関税発動を見送る前の水準へ下落すると、売り圧力がさらに強まった。
ドルは対円以外の通貨に対しても下落した。特に円と同様に、リスク回避時に買いが集まりやすいスイスフランは上昇が目立っており、きょう午前の取引でドルは0.81フラン半ばと、2015年1月以来、約10年ぶりドル安/スイスフラン高水準を付けた。
ユーロも一時1.13ドル後半まで上昇し、22年2月以来、約3年ぶり高値をつけた。市場では「米国債の売却などドル資産を嫌うような動きも見え始めた。チキンレースの様相を呈している米中対立の行方が鍵となる」(日本総研副主任研究員の松田健太郎氏)との声が聞かれた。
東京株式市場では、日経平均が一時、前日比1900円安まで下落した。米株先物も正午過ぎ時点で、0.4%程度の下げとなっている。