最新記事

磁石でワインの味が大幅改善!? 気になるテイスティングの結果は

2018年6月20日(水)17時35分
松丸さとみ

wine02-180620.jpg
Vesnaandjic-iStock

できあがったワインをガスクロマトグラフィーや質量分析法を用いて分析したところ、従来的なプラスチック・フィルムを使用した方法よりも、磁性ポリマーの方がIBMPを多く除去できたことが分かった。プラスチック・フィルムで除去できたIBMPは18%だったが、磁性ポリマーでは74%を除去できたのだ。

研究チームはさらに、大学内にいるワインのエキスパート8人を集め、できあがったワインを含む複数のカベルネ・ソーヴィニヨンのフレーバーについて、さまざまな観点から評価した。その結果、他のカベルネ・ソーヴィニヨンと比べ、磁性ポリマーを使用したワインは「ピーマン臭」、「葉っぱっぽい味」などの評価が著しく低かった。

将来的には他のワインでも

ジェフリー准教授はオーストラリアのニュースサイトNews.com.auに対し、ワイン製造工程でこの方法の使用が許可されるようになるにはまだまだ改善が必要だと説明したが、他の種類のワインにも適用できる可能性もある、と話している。MPは例えばソーヴィニヨン・ブランなどにも含まれるという。

准教授はまた、今回はカベルネ・ソーヴィニヨンに含まれる「ピーマン臭」を特に対象にしたが、山火事からの影響によるスモーク・テイント(煙による汚染)や、ブショネと呼ばれるコルク汚染など、ワインの香りを損なう原因となる物質は他にもあり、磁性ポリマーを使ってこうした物質の除去もできるようになるはずだ、と期待を語った。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニ ューアル!
毎日配信のHTMLメールとしてリニューアルしました。
リニューアル記念として、メルマガ限定のオリジナルコンテンツを
毎日平日アップ(~5/19)
ご登録(無料)はこちらから=>>


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権

ビジネス

シタデル創業者グリフィン氏、少数株売却に前向き I

ワールド

米SEC委員長が来年1月に退任へ 功績評価の一方で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中