スイス中銀、金上昇で第1四半期は黒字 株安やフラン高克服

4月24日、スイス国立銀行(中央銀行)は第1・四半期(1─3月)に67億スイスフラン(80億8000万ドル)の利益を計上したと発表した。写真は1月、スイス・ベルンの同行本部で撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)
[チューリヒ 24日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は24日、第1・四半期(1─3月)に67億スイスフラン(80億8000万ドル)の利益を計上したと発表した。金価格の上昇が株価下落やスイスフラン上昇の影響を相殺した。
金の保有高は1030トンで変わらずだが、価格上昇で128億フランの評価益を計上。株・債券価格の下落による外貨ポジションの53億フランの損失、対ユーロでのフラン高による23億フランの為替関連損失を帳消しにした。
第1・四半期利益は、UBSの予想レンジ(50億─150億フラン)の下限近くとなった。UBSのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は、フラン上昇と、米関税措置を受けた米国債・株式の下落で、中銀保有資産の価値は3月以降、500億フラン目減りしたと推定し、「金価格の上昇はそれをある程度カバーするが効果は限定的だ」と述べた。
4月の損失は第1・四半期の利益を帳消しにして余りあり、昨年の留保利益の大半を消失させると指摘し、「中銀が2025年の黒字を目指すのなら、株式市場の回復とフランの下落を望んでいるはずだ」と述べた。