「喉に炎症があります」の炎症って何? その怖さ、おさめ方、原因は...
炎症は大事な身体のサイン
熱が出る。腫れる。このふたつが炎症のいちばん特徴的な症状で、炎症があるということは、身体がなんらかの異常事態から必死に立ち直ろうとしている状態であるということです。
こういった症状がなければ、わたしたちは自分の身体でどんな異常事態が起こっているのか知る由もありません。
わからなければ、普段通りの生活をして時に無理をしたりして、余計に状態が悪くなるかもしれませんし、病原体に感染している場合は、知らず知らずのうちに誰かにうつす可能性も出てくるわけです。
炎症というのは、自分と、そしてまわりの人々を異常事態から守る反応であるとも言えます。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックがまだまだ続いています。このウイルスの最も厄介なことは、不顕性感染、つまり無症状の方がいるということです。
無症状であるということは、炎症が起きていない、身体が異常事態だと気づいていない、ということです。無自覚に感染を拡大させてしまうことを意味しますから、厄介なのですね。
ですから、無症状であっても、マスクをするなどして、知らず知らずのうちに周りの人にうつさないようにすることが大切になってきます。
強すぎる炎症の怖さ
炎症は身体を守るサインという話をしましたが、強すぎる炎症、誤った炎症は、身体に害を与えます。
新型コロナウイルス感染症は時に重篤な肺炎を起こします。「肺炎」とは、肺での炎症を意味します。肺で炎症が強く続くと、呼吸ができなくなりますし、強すぎる免疫反応は、病原体だけではなく、守るべき組織自体も大きく傷つけることになってしまいます。
重症のウイルス性肺炎の場合は、ウイルスそのものの炎症というより、制御のきかなくなった強すぎる免疫反応が原因と言われています。
また、膠原(こうげん)病という病気があります。これは自己免疫疾患とも呼ばれ、自分の細胞や組織に対して、免疫担当細胞が攻撃を加える誤った炎症反応によるものです。
ここで生じる炎症反応は、相手が自分自身ですから、いつまでも慢性的に炎症が続くことになり、そのことが身体に大きなダメージを与えてしまいます。