最新記事
コンゴ

性暴力が「戦争兵器」に、1万件の被害者の3割以上が子ども...ユニセフのコンゴ報告

2025年4月14日(月)20時57分
コンゴの避難民

国連児童基金(ユニセフ)は11日、今年1─2月にコンゴ民主共和国(旧ザイール)東部で発生したレイプなどの性的暴力事件約1万件について、被害者の3割以上が幼児を含む子どもだったと報告した。写真は故郷を追われ避難する人々。コンゴで3月に撮影(2025年 ロイター/Arlette Bashizi)

国連児童基金(ユニセフ)は11日、今年1─2月にコンゴ民主共和国(旧ザイール)東部で発生したレイプなどの性的暴力事件約1万件について、被害者の3割以上が幼児を含む子どもだったと報告した。

コンゴの反政府勢力「3月23日運動(M23)」は今年に入り、急速に政府軍への攻勢を強め、東部の一部を制圧。子どもを含む数千人が死亡、数十万人が自宅を追われている。

ユニセフのエルダー報道官はジュネーブでの記者会見にコンゴ最大都市ゴマからビデオで出席し、レイプなどの性暴力は「戦争兵器」として利用されていると指摘。平均30分に一件の割合で発生しており、被害者には幼児も含まれていると述べた。

同氏は性暴力対策に取り組む複数の現地団体が収集したデータベースを引用。被害者の35─45%が18歳未満であることが示されたとし、「これは個別の事件でなく組織的な危機。戦争兵器であり、意図的なテロ戦術だ」と述べた。

また、資金不足から性的暴行被害者の治療に影響が出ていると報告。今週訪問した病院では、レイプ被害者120人が、直後のHIV感染を予防できる医療キットを利用できない状況だったとし「資金不足が生命を脅かしている」と述べた。

エルダー氏はコンゴにおける資金不足の理由を詳述しなかったが、他の地域では最大支援国の米国が対外援助を大幅に削減したことで人道支援プログラムが打撃を受けている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

エーザイの認知症薬レカネマブ、EU「厳しい」条件付

ビジネス

米輸入物価、3月は‐0.1% エネルギー価格低下で

ワールド

カナダ、報復関税の一部免除へ 自動車メーカーなど

ワールド

米アップル、3月にiPhoneを駆け込み空輸 イン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 7
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中